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フィギュアスケートのことを語る

四大陸選手権を拝見しまして、音楽について考えました。ボーカル入りは個人的には今でも過剰に感じるので好みではないものの、解禁によって使う曲の幅が広がったのでよかったといえるのですが、ここにきて、「劇伴って難しいなあ」と思うようになりました。よく、映画館で盛り上がって即サントラを買って家で聞いて「……あれ? こんなだったか?」と思うことがあります。音楽単体で聞くには地味すぎるCDを買ってしまった……と後悔することもあります。劇伴は映像や物語とともにあるものなので、その作品が好きだと記憶で補正しながら聞いてしまいがちで、いわゆる「いい曲」とは違う評価軸で聞くものなのだと思います。スケートを見ていると、その映画あるいは演劇やゲームに思い入れのある振付師やスケーターにはいい曲に聞こえているかもしれないけど、見ていない人にとっては単なる地味な曲だよなあと思うことが時々あります。そんなときにちょっとジャンプがかみあわなかったりして、スケーターがしょんぼりと演技をおえると「もうちょっと気持ちを支えてくれる曲だったらなあ」とつい、考えてしまいます。
そんななかで聞くと「道」「シンドラーのリスト」「ワンスアポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「シネパラ」なんかはやっぱり強い。もちろん、さまざまなプレイのなかから「これぞ」というものを選択できる音源自体の層の厚さもありますが、曲自体がパワフルでいつでもフレッシュな気持ちで聞ける。話自体はむかつくだけなのに、「マダム・バタフライ」や「ミス・サイゴン」、「サユリ」あたりが繰り返し使われるのも結局これなのだなあ、と思う今シーズンです。