名画座で『帰れない二人』を見てきました。日本公開が去年の秋で、「見逃してしまった〜!」と後悔していたので、見ることができてとてもうれしいです。
奉節から武漢へと行きそこから大同へ行くはずが、なんとウルムチへー! と主人公、チャオが中国を大移動したときは「どうなるどうなる」とはらはら……その前も後もはらはらしてはいたのですが、チャオが深呼吸してふぁっといろんなところへ飛び込んでいく、その思い切った呼吸に不思議な安心感がありました。「江湖の義にしたがってあなたの面倒を見ている」というようなことを言うのですが、彼女がそんなふうにして、納得できるものを身にまとってすこしずつ自分の領土をととのえていく姿がよかったです。
終映後、お手洗いで「よかったわね」と女性に話しかけられて、「よかったですね」とすこし話したところ、「(この映画館の)先週の映画はよくなかったのよ……」と彼女が考えかけ、言いかけたところで個室が空いたので、私が先に入ったのですが、「このあと、私が表で彼女を待って、『で、先週の映画、どうだったんですか?』って聞いたりしたら、ホラー映画の始まりみたいになるなあ」と思いました。
映画館のことを語る