検査という言葉で思い出したこと。
うちの父は肺癌で亡くなったのだけど、それが確定したのは、解剖してからだった。
生前から何度か開いて確認したほうが、と言われていたらしく、実際、亡くなるほんの数週間前にはいよいよ手術となってたのだけど、その頃にはもう、ただ癌だと確認するだけでその後やれることは特にない、と言われて、父は手術をキャンセルしたのだった。
弟、義妹、母の即断で解剖した。結果、医師から「アスベスト被爆の疑いがあります、喫煙だけだとこうはならない」と指摘された。かなり長期間両親と同居してた弟は、自分にも可能性があるのではと怯えてわたしに連絡してきた。311の頃、父はニュースを見ながら「十代の時に茨城のコンビナート建設現場で働いていた」と話してた。たぶんその時、被爆したのではないか。年金手帳を見たら確かにそれらしい社名があったし、母に尋ねた時に得てた要領を得ない回答(すごく二人の会話らしい笑)とも符合したらしく、弟はほっとしていた。
義妹の勤めている病院だったからか、医者からアスベストについて保障請求できるかもと言われたそうだが、結局それはしなかった。手続きその他見合わなさそうだし今さらという気持ちもあった。
だから父は、アスベスト被爆等々で何か統計あったとしてもその数には入らない。入るべき一件なのかもしれんけど。
検査のことを語る