ドロシー・セイヤーズの「大忙しの蜜月旅行」が刊行されることになって、ほんとに嬉しい。
もう何十年も前にポケミスで「忙しい蜜月旅行」を読んだのだけど、その時でも初刊からは何十年か経っていたはずで、訳文が古めかしくてわかりにくいところもあったものの、すごく面白かったのを憶えている。
当時日本ではクリスティに比べてセイヤーズはあまり人気がなくて、購入できる翻訳本がほとんどなくて残念だったけど、それから何年か経って創元推理文庫から浅羽莢子さんの訳でピーター卿シリーズが次々刊行されるようになり、出るたびに喜んで買って読んでいた。
でも「学寮祭の夜」の後、なかなか「蜜月旅行」が刊行されなくて待ち焦がれていたところ、東京創元社のウェブマガジンか何かで「刊行予定」というのを見て、その予定年月は2年くらい先だったけどすごく楽しみにしていた。ところが、その時になっても出る様子はなく、そのうちに(だったか、それ以前にだったか)訳者の浅羽莢子さんがお亡くなりになってしまってた。
別の訳者にかえて刊行されるのを待ってみたけどその気配もないので、何年か後に一度東京創元社の問い合わせ先にメールで問い合わせたけれど「予定はありません」との返事。がっかりしてからもう何年。たぶん10年は経っている。
なので、今回の新訳がすごく楽しみ。
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