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日本語のことを語る
ISBN:4883195422
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日本語教育における日本語文法と、日本の義務教育で学習する学校文法はちょっと違います。学校文法は王朝文法が基本になっていること、学習者の発達段階に応じた設計になっていることなどから、必ずしも言語学的には厳密でないところがあります。日本で義務教育を受けた方で、「なんか日本語がよくわからなくなってきた」というタイミングがきたら、そのときは日本語文法の学習がおすすめです。
学校文法では「主語ー述語」の順になること(述語が先にくるのは倒置)、「修飾語ー被修飾語」の語順になること、被修飾語が体言ならば連体修飾、用言ならば連用修飾……というところから入っていくのが基本で、この辺りはそれほど誤解がないところだと思います。しかし、この入り口のところで主語を大きく取り上げてしまうこと、このときに例文によっては係助詞「は」のついた名詞句を主部としてあげざるをえないことなどから、格助詞と係助詞の習熟の段でつまずいてしまうことが多いのではないでしょうか。
ところが、格助詞(が、を、になど)がつくる「格」が主格に限らず日本語では重要で、というのはかもさんのおっしゃる通りです(その上で、「は、も、なら」などによる主題化という機能の問題が出てきます)。
日本語文法では述語を中心にして、この述語との関係によって取り結ぶ他の語句との関係を格関係として学び直すことができます。「述語中心」という点に関しては学校文法も同じなので、すでに得ている知識が邪魔になるということもないと思います。