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訃報のことを語る

志村けんは私の父や弟のアイドルでした。二人はわりと上下とか優劣関係を始終気にしている人で、劣等感と優越感の間を激しく行き来して、いつもだれかをバカにしているか、だれかからバカにされていると悩んでいるかという気の毒な生活を送っており、そういう二人が志村けんの番組を見て、穏やかに笑っているところを昨日今日とよく思い出します。たぶん、素人いじりだとか、だれかをバカにして笑いを取るとか、そういったものとは志村けんは一線を画していたんだろう、だからいつも荒れた表情だった二人もあんな風に笑っていられたんだろうなと思います。たぶんだけど、まあ、そういうことは少なくともあったんじゃないかな。脅したり脅されたり、バカにしたりされたりといったこととは無関係なコントを見て憩っていたんじゃないかな。
破廉恥なところは気まずかったのですけれども、私も時々「あ、おもしろいな」と思ってました。