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のことを語る

神田松之丞が神田伯山を襲名するというニュースに色々調べていたら、
先々代?の神田伯山の息子、神田松鯉のことを瀬戸内寂聴が「花野」という小説に書いている、ことを知り
ググったけれど、どうも全集でないと入手が難しいらしく、
ポイントやクーポンを使ってえいっと買ってみた
瀬戸内寂聴全集第一巻

うなってしまった
いやーこの人、本当に巧い
なんというか、鮮やかなんですよ。情景のえがきかたが
粋なこと、
色や着物に詳しいせいもあるのでしょうが、
もちろん、艶かしいところはおおすぎるくらいあるのですが、
それが特に際立つわけではない
(いや処女作からして、わりとそういうことをあけすけに書いているので、そら、あの時代にそんなんばかり題材にする女性作家が現れたら、そらたたかれるわーとは思う)
ちな神田松鯉を紹介した編集者のモデルとされているのは、江國滋
そう、御自身も俳人であり作家であり、作家江國香織のお父様でもあらせられる
そして「いろ」という切なくも哀しい短編があるのだけど、これは田村俊子の実母の話を湯浅芳子からつたえきき実話を元にえがいたのだという
初期から伝記も出色なんですね

映画化された「夏の終り」も収められています