知り合いの家で、何に使うつもりか竹の竿を弄っていたら、通りから男性二人組がじっとこちらを見ているのに気がついた。軽く会釈すると、「おばあちゃんの杖になるものを探している」という。胸騒ぎがして近寄ると、二人のうちひとりは、昔別れた彼であった。十数年ぶりに、まさかこんなふうに会うなんて。
家主の許可を得て竹竿を切って分ける。あのときはごめんねとは思うけど、気まずさより会えて嬉しい。彼の方も懐かしさ全開であれこれ話しかけてくる。私の忘れていた思い出まで語る。顔が近い。
連絡先を交換したりするのだろうかと心の準備をしていたが、竹竿を受け取るなりあっさりと去ってしまった。手まで握ったくせに、あのやろう。
夢のことを語る