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音楽のことを語る

大好きな曲は一杯あるんですが、パット・メセニーに限って言えば、『Travels』という2枚組アルバムの最後に入っている「San Lorenzo」が一番美しいと思う。ジョン・コルトレーンやビル・エヴァンズを聴いて、「ジャズ、カッコいいな」とジャズにかぶれていた学生時代に、この曲は衝撃的だった。ダサいのだ。ただどんな曲よりも情熱や想いに溢れていた。そして、ライル・メイズのピアノが神がかったように美しかった。発表当時の70年代後半に学生だった人も「この曲が新しいジャズの始まりを感じさせるものだったし、当時のEMCレーベルは最高だった」と書いてて、激しく同意する。この人たちは演奏時には24歳だったことに、すごく驚く。ただ、そのくらいの歳にしか奏でられない真摯な演奏というのがあるんだろうなと思う。RIP、ライル・メイズ。ぼくの人生の半分くらいは、あなたたちの音楽とともにありました。