京都での滞在から帰ってきた。ぼくが長い時間を過ごした場所は、細く入り組んだ路地に豪奢な造りの屋敷やモダンな建物が点在している「全く知らない街」だった。一歩路地に入ると、たちまち3、40年昔にタイムスリップする感覚に陥るような街だった。ぼくが仕事をしていた場所はもともと遊郭だったところをリノベしたもので、お茶屋さんが残ってることから花街であることは想像できたんだけれども、五花街のリストには載っていないのだった。ごく最近まで生きていたけれど、ある日息絶えた。そして、今まさに新しい地域として生まれ変わろうとしている街という印象を持った。崩れかかった古い街並みはマカオのようで散策するのが楽しかった。帰って来てから調べると、その街にはかつて「楽園」という名前がつけられていたことを知った。ぼくは、それとも知らず、そんな時が止まったままの美しい街で時間を過ごしていたのだった。
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日常のことを語る
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完全休養するために京都へ来た。起業して6年くらいお金と仕事と将来の不安に追われてきたので、しばらく休んで自分を見つめようと思ったのだった。目的もなく暑い京都の街の中を歩きまわって、興味の赴くままに小さなギャラリーや書店、文具店に入ったり、涼しいカフェでのんびりしてると、いかに自分の心が渇いていたかがよく分かった。ぼくはすごく活字が好きだったんだけど、この6年間、仕事に必要な最低限の本と資格テキストしか読んでなかったのだ。というわけで、ずっと読みたかった横田南嶺さんの新刊『無駄骨を折る』と村上和雄さんの『SWITCH』の古本を購入した。疲れ切っていた自分にはどちらの本の言葉もめちゃくちゃ沁みます。
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自己操作可能感って、めっちゃ大事だと思う。物事の全体は俯瞰しつつも、自分で管理、制御、操作できるくらいに小さく分けて、前進することが、この時代には大事だと思った。地上すれすれに、黙々とノロノロと、でも確実に飛んでいくのだ。
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たぶん秋から冬にかけて、海外へ出かける予感がするので、パスポートを取り直すことにした。この10年はひたすらサバイバルで、ずっと前に失効していたのだった。パスポートの取得はすごく時間がかかって面倒だった記憶があって、調べたらさらに面倒臭くなってそうだった。とりあえず戸籍謄本と専用の写真を用意して、運転免許証とマイナカードを持って、明日申請に行ってこよう。パスポートさえあれば、思い立った時にトルコやギリシャなどのバルカン半島の旅、タイとマレーシアとシンガポールのマレー半島縦断の旅、あるいはインド、パキスタン、アフガニスタン、イランまでの旅ができるのだと我慢しよう。
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今年後半はネットに触れている時間をできるだけ減らそうと、ずっと読みたかった紙の新聞(かなり高い)を申し込んだ。情報過多な時代なので、テレビは置かない、SNSからはなるべく距離を置く、ネットニュースには触れないくらいが、ぼくにはちょうどいい。自分が身を置いている業界に関するニュースを知れて、何かに所属している感を得られるのは、プライスレスだと思った。そして、インクの匂いのする新聞を読みながら、コーヒーを飲む時間というのは、とても落ち着くのだった。
本のことを語る
ふと調べものをしていたら、岩波書店の書籍に出くわした。
ぼくの中の岩波書店は、「シミが多くフリ仮名がなく読みにくい出版社」というイメージだったんですが(古本ばかり買ってるとそうなる)、そこにあった美しく含蓄に富んだ文章や、言葉の引用の丁寧さに乾いた心や感受性が果てしなく癒されていくような気持ちになった。毎日、薄っぺらくて中身がない情報に曝され続けていると、人間は真逆のものを求めるようになるんだなと実感した。サイトを見ていたら、茨木のり子の詩集がいくつか新しく文庫になって発売されているようだったので、今度書店で探そうと思った。
日常のことを語る
10年くらいiPhone専用のゲームらしいゲームはやっていないんだけれど、今日たまたま知った「Florence」というめちゃめちゃ女の子のイラストが可愛くてオシャレなゲームをダウンロードしてやったら、不覚にも泣いてしまった。オーストラリアに住むアジア系の女の子がインド系の男性に初恋をするという内容なんですが、とにかくイラストもストーリーも画面の操作も音楽もすごかった。そして、いつまでも別れた相手のことを想いつづける男性に対して、女性ってわりと踏ん切りをつけて、次のステップに行くんだよなあと思い知らされるのであった。とにかくむちゃくちゃいいゲームなのでおすすめなのでした。
日常のことを語る
しばらく住んでいるところを離れて、滞在する場所は京都に決めた。ちょっとしたつながりで快適そうな宿とコワーキングスペースを見つけたのだ。というか、そのあたりは京都にいた時に、ずっと住んでみたいなと思っていた場所なので、なんかすごい偶然だ。3、4泊して、1日は大阪万博にも行こうと思って、各国のパビリオンについても調べた。バルカン半島、コーカサス地方、中南米がぼくが知りたい場所なので、たぶん「コモンズ」がベストチョイスで、展示ではなく「なるべく多くの国の現地スタッフと話して、その国について教えて貰うこと」を目的にすると楽しめると直感した。あとは、いつ行くかだけが問題だ。
音楽のことを語る
GRAPEVINEの「天使ちゃん」という新曲を聴いて、詩にものすごい衝撃を受けて、今日はずっと彼らの作品を一日聴いていた(5年に1回くらいある)。GRAPEVINEは地味だけれども、90年代半ばからずっとオルタナティブなロックを奏でていて、ロック=ビジュアル系という流れを大きく変えたバンドの一つだよなと改めて感じた。彼らの楽曲は分かりやすい答えを教えてくれない。サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』のように何も起きないし、何もやって来ない。ただオルタナティブ・ギターキッズなら一度は弾きたいギターリフで様々な季節や景色や想いを想起させる不思議なバンドだ。ぼくは彼らの音楽が好きなのだ。
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何とか今週だけ仕事を頑張ってやり切って、来週はいま住んでる場所を離れて、しばらく3、4日くらい何もしない時間を持つことにした。どこへ行って何をするかも決めていないけれど、それだけは決めた!
生活のことを語る
色んなモノが壊れる時期で、今日は何年間も首が回らないZライトを修理した。いいZライトはガンダムのような関節構造になっていて、六角レンチとLeathermanをフル活用して直した。Leathermanはアメリカの電気技師がこれ一本で電気工事ができるように開発したペンチに変形する万能ナイフで「なるほど全部できる」と感動した(ぼくは普段ロープや木を切るのに使ってるだけだった)。モノのいいところは、壊れた箇所や原因が分かれば、何とかできるところだ。時間をかければ、必ず直せると確信しながら作業している自分に気がついた。とても癒されるいい時間だった。
生活のことを語る
車を弄っていたら、カーナビの地図がアップデートできることを知った。サブスクすれば、毎月アップデートできるらしい。設定が面倒だから、また後日にしたんだけれど、遠方への出張が多く、3〜5年単位で見ると新しい高速ICやバイパス、橋などがわりと頻繁にできている気がするので直ぐにでも元が取れそうな気がした。現代のデバイスって、中身またはクラウドの情報がものすごく大事になってるんだよなと思った。6、7年前にデザイナーの友人がAppleはもうデバイスではなく、ソフトやサービス開発に舵を切っていると言ってたけど、それでも追いつかなかったくらい時代や環境が大きく変わっているのを痛感する。ぼくは油と煤にまみれて、車を弄ったり、掃除をしてるほうが好きなんだけれども(イヤホン、ヘッドホンも絶対に有線しか使わない派)、世の中は変わっていくのだ。
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新品のタイヤが到着したので、イエローハットへ行って、交換してきた。ブリジストンの一番安いタイヤだけれども、車が新車のように美しくなった。車を替えてから、自分で洗車して、コーティングするのが楽しくなったので、洗車道具も一式揃えた。それまでぼくは人生で一度も車を手洗いしたことがなかったんだけれど、なんでもピカピカにしていると気分が晴れるのだった。というわけで、今年の夏も車を洗いまくるのだ(一回川原の道を走ると死ぬくらい汚れるのだ)。
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ふと車のディーラーさんから「ツーリングワゴンにロードバイクを載せたい時には毛布を敷くのが一番楽ですよ」と言われたことを思い出して、やってみたら楽勝で自転車が積めることに気づいた。かつ全く汚れなく積めるのだった。そう言えば、ぼくは去年の今ごろ、どこにでも自転車とカヌーとバックパック一式を積めるようにハッチバックの車を購入したのだった。ほんのすこしの差だけど、セダンとは全然違うことに驚いたのだった。
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色々重なって、燃え尽き症候群になっていたので、今週は思い切って仕事を休むことにした。で、今日はずっと履いたままのスタッドレスタイヤを交換をしようと思ったら、ノーマルタイヤも摩耗しきっていたので新品を買った。あと、また冷たい川に入って肺炎にならないように、厚いウェットスーツの上下を買った。あと遠くでの川下りの時に必要な折り畳み自転車を中古品店で揃えれば、この夏の買い物は終了だ。必要なモノの値段はだいたい想定していたけれども、流れるように生きるのって、なんかすごく気持ちいいなと思った。
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昨日はまた試験だった。ちょうど甥っ子が来ていたので、実例としてテキストを見せながら、勉強の仕方を2つ教えた。①まず学校の授業も教科書もただ読んでも眠くなるので、赤ボールペンで大事なところに線を引いて、教科書に直接メモを書き込んで、手を動かしながら読むこと。②全ての教科書は日本語で書かれているので、「つまり」には▽、「しかし」には↔︎、「また」には=マークを書いて、接続詞の後に「だいたい重要なことが書いてある」と、宝探しをすること。「教科書や本=ノートくらいな勢いで書き込んで覚える。覚える単語も教科書に5回書く。とにかく教科書をボロボロになるくらい汚す」と実戦的なことを教えたのだった。そして、この「教科書をノートにする」方法がバカで物覚えが悪いぼくには一番効果的なのだった。
映画のことを語る
青い空を背景にした観覧車とVaundyの楽曲が印象的なiPhone16Proのショート映画『Last Scene』を最後まで観てしまった。30年近く興味はあったけれど、はじめて観た是枝和裕監督の作品だった。ずっとポスターの明朝体フォントが好きで、たぶん近い感性の人だと感じていたけれど、劇中にくるりや大橋トリオ(音楽も担当)が流れて、最後のシーンにいたると、ジーンと来た。ぼくは今ビジネスそのもののシナリオを書く仕事をしてるんだけど、映画の脚本を書き、人生を描きかったなと思った。「お前、映画つくるんじゃなかったのか」と卒業式の日に、映画職人になった友人に言われたのをいまだに覚えている。仕事でひとの人生を深掘りしたり、撮影もよくする。「似た仕事をしてるんだから、書いたら?」と言われた気がふとしたのだった。
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韓国の人が山や川の近くで愛犬と一緒にキャンプをする動画を観た。韓国の自然は日本に似ているけれども、場所によっては北海道とかカナダに近い木が生えているんだなと驚いた。韓国は日本と緯度は変わらないんだけれど寒いのだと感じた。特に雨の日に薪ストーブを焚いて、犬とくつろいでいる動画がよくて、思わずぼくもバックパックから小さなストーブを取り出して、お湯を沸かしてコーヒーを淹れて飲んでしまった。自然のなかで、一晩の寝床を用意して、火をおこして飯を食うって、それだけで癒されるんだろうな。ぼくは充分な道具を持っているので、今度試してみたい。
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365ページある問題集を1日1ページずつコンスタントに解いた人よりも、365ページのはじめ20ページまでが全く分からず挫折して、何ヶ月かけてようやく理解して残り345ページを猛烈に解いた人のほうが成績はよかった的な話をなんかで観たことがあるんだけど、ぼくはこの話が結構好きだ。ぼくは人生の大半のことを後者のパターンで理解して、対応してるんだよなと思う。たぶん、ぼくの人生はまだ18ページ目くらいだ。
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軽い肺炎で休んでいたラジオ体操とラジオ英会話を再開。ラジオ英会話の4月回は第4週と第5週が同じ内容で辛うじて脱落を回避できた。甥っ子が頑張ってる傍らで、ぼくが脱落するのはあり得ないのでありがたい。そして、この2つをやると、1日の仕事パフォーマンスが倍以上高まる気がしてるので、なんとか続けたいのだった。