絶賛再放送中の『赤毛のアン』。昨夜はクリスマスコンサートと物語クラブ発足のくだりで、アンたちの中で物語がどうしても必要だと自覚される過程をうつしていました。
アンが書いて、マリラと牧師夫妻を爆笑させた三角関係のお話のヒロインはコーデリアとジェラルディン。発想元のひとつはおそらく、「ダイアナが結婚してしまったら、また私はひとりぼっちになってしまう、ああ、ダイアナの結婚相手が憎い!」と泣き出してしまったときのことだと思いますが、そのときに比べると、二人の少女の間に割って入る男性がほんの少しだけ人間に近づいていてきました。
そして、このお話はアンが理想の自分、あるいは理想の親友として幼少時より想像してきた「コーデリア」や「ジェラルディン」がアンの世界から分離独立そして死亡していく過程とも読め、実際、そのあと物語クラブで彼女が用いるペンネームがそのどちらでもないことと合わせて、アンなりの成長が見えておもしろいです。
マリラはもちろん、「コーデリア・フィッツジェラルド」をフルネームで言えるわけで、アンがペンネームにその名を用いないことですこしのさみしさも味わっているのでしょうか。クリスマスコンサートの夜、アンをほこらしいと言ったマリラの中に「私の小さなアン」がしっかりと根をおろしているのが見えました。
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