今週の『赤毛のアン』では、ジョゼフィーンおばさんがダイアナとアンをシャーロットタウンの品評展覧会に招待してくださいました。
せっかく何度もアニメで観ているのだから、今週から松本侑子訳・注『赤毛のアン』も平行して読んでみることにしました。そうしてみると、高畑勲監督が原作に忠実に忠実に描いたことがわかり、とてもおもしろいのです。
今週、原作とすこし違ったのは、品評会でダイアナが「日曜学校の校長先生が養豚で一位なんておかしいわ」と言って笑ったくだり。原作ではその何がおもしろいかわからなかったアンのマリラへの報告というかたちを取っているので、ダイアナがどれほどそのことを楽しんだかはわかりません。アニメでは「ああ、これは俗に言う、『ツボにはまった』という現象だな」というくらい、ダイアナが笑っており、横できょとんとしているアンとの対比もあって、ダイアナの個性がわかる場面になっていました。
しみじみしたのは、アンとダイアナを見送るジョゼフィーンおばさんのさみしそうな背中です。あの元気いっぱいで生き生きとした二人がいなくなったあとのしんとした背中がさみしかったです。
しかし、それもこれも、マリラがアンのために鶏をしめて、焼いておいてくれたのを見てふっとびました。松本侑子の注によれば「チキンは、農場で飼っている鶏を特別な機会にわざわざしめて料理するため、贅沢だった」そうで、たいへんなごちそうだったのですね。四日間、アンを待ちわびたマリラの気持ちがこもっているようで、それをまたまっすぐにアンが「私のために?」と尋ね、マリラが「そうだよ」と応じるところでは私もざべすも大感激でした。
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