その昔、外国のフィギュアスケート選手に夢中になったことがあります。引退を表明したときには、泣きましたね…。とても悲しくて。なぜ悲しかったかというと、これからも競技を応援したいという希望が失われたたから。勝手にも裏切られたかのような気持ちになりました。
あとになって当時の熱は、過去の大失恋から立ち直るためのリハビリだったんじゃないかなと思いあたりました。心がいたんでいて現実に恋愛できる状態ではなかったし、そういう状態で他人に深入りしたくなかった。アイドル的なものに情熱を注ぐことは、自分が傷つくことのない安全な関係で、当時の自分にとって都合が良かったのです。
芸能人の結婚で泣いてしまう人も、きっとなにかしら希望が失われたのでしょうね。
自分のものにはならなくていいけど、誰かのものにはなってほしくない。そんな屈折した気持ちを、ぼんやりと想像しています。