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パナソニック AM/FM ラジオ放送受信機 RF-U150A

パナソニック RF-U150A は、前に紹介した RF-U155 の一つ前の機種で、さらに一つ前の RF-U150 からテレビ音声1〜3chの表記を除いた製品です。形状は現行の RF-U156 まで全く同じものが20年以上生産されています。

RF-U150A

RF-U150A はアナログICを可変蓄電器につながったダイアルで操作する純アナログ機で、後継機種がデジタルICをアナログなダイアルで操作するアナ・デジ機になる直前の、アナログ時代の最終機種の一つです。昨年メルカリで入手しました。

左:RF-U150A 右:RF-U155

150と155は機能、音響設計、感度などはだいたい同じなので、違いの出る所として、同調の挙動と AM の音質について書きます。

155 はアナ・デジの特性上、ある程度強い電波には吸い付くように簡単に同調する反面、弱めの電波にはなかなか同調しない場合があります。この欠点は 155 では特に FM で顕著で、感度云々以前に同調しにくさに苛立たされることがあります。150 は純アナログであるためダイアルの回転に周波数の変化が滑らかに追随し、弱い電波は弱いなりにきちんと受信できる点で扱いやすさがあります。

AM の音質は、両機は機械構造的な音響設計が全く同じにみえるにも係らず、全く別物になっています。155 はデジタル処理による強力なフィルタが狭すぎで、高音域がかなり切り落とされたまろやかな聴こえです。150 はアナログ部品によるフィルタの働きが緩やかであるため、高音が AM 放送に可能な範囲でかなり伸びた明るい音質です。

RF-U150A の AM の音質
RF-U155 の AM の音質

また、155 は電波の強さが不安定で同調インジケータが点滅するとき、ボツボツという内部からの雑音が入ります。150 のインジケータはアナログらしく電波の強弱に応じて明るさが変化し、音声への影響がありません。

上に挙げたフィルタの特性の違いは、混信耐性の点では 155 に軍配を上げます。特に混信しやすい夜間の受信において、150 が隣接周波数からの影響による音声の混入やビート音を起こしやすいのに対して、155 の強力なフィルタは良好に機能し、きれいな音声を聞かせます。

このようにアナログ世代の 150 とデジタル化された 155 は、共通する外観とは裏腹に、使うことで受ける感じには大きく違う点があります。最近のアナ・デジ機に扱いにくさを感じている人には、操作もデジタル化された完全なデジタル機を推奨しますが、昔ながらのアナログ操作が良いという場合は、この RF-U150A や RF-2400A などパナソニックのアナログ最終世代の製品をメルカリやハードオフで探してみると良いのではないでしょうか(ソニーの旧機種は高騰しがちなので……)。