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映画のことを語る

岡本喜八の『日本のいちばん長い一日』を観た。2015年にリメイクされた役所広司版の元作品である。岡本喜八の映画タイトルは軍国主義の臭いがするので避けていたんですが、戦争体験者かつ反戦主義者で、ものすごくバランスが取れた格調高い作品だった。この映画は8/14のポツダム宣言の受諾と翌日8/15正午の玉音放送までの一日を描いたものなんですが、敗戦を認めない若い純粋な陸軍将校たちのクーデター劇でもある。歴史の転換点、戦争を終わらせるとはこういうことなのかと感じた。見終えた後、玉音放送の原文と現代語訳を読んでみたのですが、自分の先入観とは真逆の国民への愛と慈しみに満ちた内容だった。とことん追い詰められた時に、人間はこういう心境になるんだなと思った。戦争が人ごとに思えない時代に観るべき名作だなと感じます。