妹から甥っ子が5教科で信じられないようなテストの点数を取ってきて、勉強って何だろうなと考えた。ぼくも子供の頃、「なぜ勉強するのか?」とよく悩んでいたけど、誰もマトモに答えてくれなかった。たとえば、三角関数のsin、cos、tanとはもともとは水を蒸気に変える機関を製造するために必要で、蒸気の通る筒や動力を伝達する歯車の大きさや角度計算に欠かせないものだったのだ、と今なら分かる。また、そこから生まれた力で糸を作ったり、糸を織り、生地をつくる機械にも三角関数が必要だったのだ。そして、蒸気機関を活用した製糸や紡績が近代工業の始まりで、日本は徐々に機関車や造船などの重工業や建設などのインフラづくりを得意とする国になっていったのだ。今ではそういう仕事はアジアに流れていて、日本ではより高度で複雑な工学や化学、電子、情報、生命科学などをやるようになってるけど、エネルギーや宇宙工学ではいまだに欠かせないものなのだ、と説明してくれる大人は誰一人いなかったし、今も多くはいない気がする。こういう説明があれば、「なるほど、学校の勉強とは人類が歴史を通して学んできたことが凝縮されているんだな」と感じられるんだろうけど、様々な経験を積んだ今だから分かることなのだった。かくして、大人であるぼくは、できるかぎり子供たちの「なぜ?」に答えられる存在でありたいと思う。ぼくはそんなに賢くないけど、世の中の「なぜ?」に対してガチで考えて、ガチで応える人なのだ。で、はじめに戻るんだけれど、ぼくは「なぜ甥っ子が勉強をしないのか?」について、もっと彼の意見を聞いてみるべきなんだろうなと思う。あらゆる問題は、まず現実をよく観察して、よく知ることが大事で、ぼくは最近「答えや対処方法はわりとどうでもいい」ということを学びつつあるのだった。上手く言えないけれど、人間って関心を持って見守ることで、自らが一番理解している問題を自ら解決できる存在なのだ、と最近よく思うのだった。
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