家族旅行のちょっと切ない思い出。
ディズニーランドがオープンする前の話、小学校一年生の夏休みのこと。
家族揃って初めて東京へ。目指すは上野動物園のパンダだった。
圧倒的な存在感の巨大ビル群。地元のお祭りでも見たことのないほど、ひしめき合う人々の群れ。
これが大都会なんだ、東京なんだと、心踊らせつつ動物園に着くと「水曜日はパンダがお休みです」の表示。
ベソをかく自分を、両親も姉も慰めてくれて、明日行こうね、明日見られるらね、ということで別の場所へ観光に。
でも、その日の夜にあろうことか高熱を出してしまった。すぐにホテル近くの病院で診察。おたふく風邪だった。
結局パンダも、せっかくチケットを取ってくれた巨人ヤクルト戦のチケットも、全部キャンセル。その次の日には帰宅。
以来、一度も生パンダを見ていないし、野球観戦にも行ったことはない。
まだ小さかった自分を喜ばせてあげようと、せっかくこの旅行を計画してくれたあろう両親に本当に申し訳なくて、
今でも夏休みの季節が来ると、ちょっとだけ胸がキュンとなっちゃう。 やだもう。
パンダ、生で見たいなー。