さすがに炊飯器は一般家庭に普及しきっていた昭和時代終盤だったけど、
うちの母は毎日文化鍋でお米を炊いていた。
夕方、台所からほのかに漂ってくる甘い匂いと、小さくカタカタと鳴る鍋の蓋の音がとても心地よかった。
当時は味が良くないと言われていた北海道産米でも、やっぱり炊きたては本当に美味しかった。
底に張り付くパリパリのおこげも楽しみの一つ。姉と争ってつまみ食いしてた。
いつも炊きたての熱々のゴハンを食べられたのは、今思い返してみるととても幸せなことだったと思う。
母は仕事も忙しかったはずなのに、料理も手は抜かなかったことには頭がさがる思いでいっぱい。
そんな母も、今は「圧力極上炊き黒厚鉄釜ジャー」がお気に入りです。