父も母も、ほんとうによく遊んでくれた。野球やスキーなどの外遊びはもちろん、
夕食後などのちょっとした時間に、部屋の中でできるささやかな遊びもいっぱい教えてくれた。
瓶の蓋を使ったおはじき、あやとり、トランプ、花札、オセロに囲碁将棋、麻雀。
しかも、いつも「本気」で遊んでくれた。
仕事も忙しかったかもしれないけど、とにかくじっくりと真剣に遊んでくれた。
子どもながらにも、適当にあしらわれているのか、そうでないのかぐらいは分かる。
大人と真剣に遊ぶことって、めちゃくちゃ楽しかった。毎回鼻血が出そうなほど興奮してた。
その楽しさがわかっているから、大人になった自分も、甥や姪と本当に真剣になって遊んでやる。
相手が子どもでも、手は抜かない。鼻血が出るまでじっくり興奮させてやる。
今になってわかる。遊びとは、人生をちょっと愉快にするスパイスだ。
その味をしっかりと教えていきたい。