貨幣の「新」世界史──ハンムラビ法典からビットコインまで | 種類,ハヤカワ文庫NF | ハヤカワ・オンライン
カビール・セガール著、小坂恵理訳。
第一章が何だか読み進めにくい気がしてずいぶん放置してしまった(文章が難しいわけではない)けど、第二章以降はおもしろくなって一気に読了。第一章は飛ばしておいて最後に読んでも良かったかも。
なぜ私たちはお金に惑わされるのか?
私たちはなぜこれほどまでに「お金」に翻弄されるのか? ウォール街の投資銀行家が、金融危機の渦中で抱いた難問に挑む。 人類誕生以前にまでさかのぼる貨幣のルーツ、前身は物々交換ではなく「債務」であるとする新説、金儲けで刺激される脳の秘密、「足るを知れ」と説く宗教の真意など、脳科学、生物学、行動経済学、歴史学、宗教学、古銭学ほか 様々な視点からお金の起源とその未来を探る。 序文/ムハマド・ユヌス、解説/根井雅弘
お金の生物学的起源、お金と脳の反応、貨幣経済と贈与経済の関係、お金の物質面と意味論的内容、歴史を踏まえての未来予想、富の思想など、扱う内容は幅広く、一つ一つについてもっと掘り下げたくなる。著者の姿勢が価値観の幅に対して柔軟で視野が広いので、読者は著者の考えた後をたどりながら窮屈さを感じない。お金という離れられないものを知るための格好の一冊だ。