「乙姫様、どうもありがとうございました。私はそろそろ帰ろうかと思います」そう、浦島太郎は切り出した。
「帰るのですか?このままここで暮らしませんか」乙姫が切り返す。
しかし浦島の意は堅い。
「私の帰りを待つ者もおりますので」
その言葉を聞き、乙姫はそっと目を伏せた。一瞬の間があり乙姫は目上げる、妖しい光を宿らせて。
「……そうですか、それは名残惜しい。それではお土産にこn」
「そこまでだ」聞いたことのある声が竜宮城にこだまする。寺生まれで霊感の強いTさんだ。
今まさに玉手箱を受け取ろうとする浦島の前に立ちはだかった。
「破ぁ!!」とTさんが叫ぶ。すると今まで乙姫であった何かが、海洋生物の姿で踊っていた何かが漆黒の闇へとその姿を変え、そしてTさんの手から放たれた光の震動が次々と闇を引き裂いてゆく!
「これで安心だな・・・」そう呟いて片手で煙草に火をつけるTさん。
寺生まれってスゲェ……改めてそう思った。
浦島太郎の新しいエンディングを考えるのことを語る