わたくしが大学受験するとき母は絶対浪人させないために、本命の試験の前に入学手続き期間が重なるようにしていくつか私大を受けろとわたくしに命じた。
受験する本人にはなぜかそこらへんについての決定権がないことになっていたのでおとなしく従った。
母は各大学のための入学金をプールして、わたくしが次の大学に合格して手続き不要になるとそれで食器を買う、を繰り返した。本命前に4校受けて全部受かったので都合4回。
「次貴女が○○受かったら××買うの」ととても楽しそうだった。
明らかに辻褄合わせに利用されていたのだけどそのおかげで実家のどこかに美しい食器があるからまあいいや。
母のことを語る