映画オリンピック 2017、FS 運命の最終グループ 6 作品はこちら!
「マギーズ・プラン」
抜群の安定感。マギーという人がじたばたじたばたしているのですが、生来のたたずまいのせいか、それすら穏やかで、はらはらのクライマックス(スケートで言うと後半に跳ぶ 3Lz+3Lo)もなんとも優雅でした。衣装も素敵。打ち明け話映画大賞、イーサン・ホーク大賞、コーヒー映画大賞なども合わせて受賞。
「ムーンライト」
初見では、息苦しいほど近い視線に主人公がさらされているなあという感じだったのですが、後で落ち着いて思い出してみると、わりと細かく工夫が凝らされていて、息をつける瞬間もあったし、とても自然に愛情が感じられる一作だったと思います。フィギュアスケートで言うと「冒頭の 15 秒の大技に驚くが、実は意外とウェルバランスで丁寧なつくりのプログラム」という感じでしょうか。
「メッセージ」
言葉の檻を越える地道な作業にわくわくしました。エイミー・アダムスの瞳の色が印象的。色彩設計の中心に彼女の目があったのではと思うほど。
「ブレードランナー2049」
「メッセージ」と同じ振付師。こちらはけむるような世界の中で、登場人物のみなさんが日常の澱みたいなものを無自覚にひっつけてぬっと登場する感じがちょうおもしろかったです。Kが無骨な感じぐいぐい越境しようとする後ろ姿も印象に残っています。
「パターソン」
パターソンくんがどこにいても居心地悪そうなのと、それでいて特段いらいらしていないことと、「でも言いたいこといっぱいある」という雰囲気だってことがなんともいえずよかったです。久しぶりに映画で、遠くの世界の縁もゆかりもない人々を見ているなあと思いました。
「ローガン・ラッキー」
後で思い出してみると、わりと子どもっぽさゼロなところがよかったです。あれでいて意外と大人のお話で、主人公が大人なので始末がいいのですよね。完璧な映画だと思います。