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雨子のことを語る

「黄金のアデーレ」(Woman in Gold)
・米語が多くの人にとって「未来を託せる言語」だった時代がついに終わるかもしれない。そういう 2017 年に「ぼやぼやしないで」とぴしゃっと冷や水を浴びせる一作。
・という、事件性の大きい、歴史を背負った個別的な映画でありながら、「半人前が、固有の声と文体を持った大人になるまで」という普遍的な物語でもあるところが大きな魅力。
・(相対的なものでであってかまわないので)「若さ」が必要な時や現場というのがあって、過去を振り返ると自分にもそういう役回りが来た瞬間は何度かあったし、人口比から考えるとこれからまだもう三回くらいあるかもしれないなあ、太ってる場合じゃないなあと思いつつ、逆に「若い人に助けられる老人」の役回りがこれからは回ってきうるし、そういうことがあるといいなあとも思う。
・フェアに、クリーンにと常に気をはっているけれど、うしろめたさで生活がめちゃくちゃになった経験もあるので、うしろめたいのに比べれば「気がはる」くらいは何でもないのは熟知してるつもり。それでも/だから、マリアとランディの勇敢さにふるえる。
・とにかく主人公の二人、マリアとランディの友情が素敵。
・アリアがケルンに向かおうとするとき、飛行機の前にいた担当官は見逃したのだと思う。ああしたことがたくさんあったのだと思う。思いたいわけじゃなくて、そうなんだと思う。
・「『ジェレミー・アイアンズ』の息子」事件、理解。