12 歳になるとどこかに集められてそこで思想教育のようなものが行われてすっかりおとなしくなってしまう世界に暮らしている 11 歳。11 歳になると、家からあまり遠くに行けないように靴が奪われる。外に出る場合は裸足かサンダルで、あまり遠くに行けない。私は反抗的だと思われていたので、サンダルすら与えられていなかったが、祖母のつっかけを盗んで外に出る。家のまわりで遊んでいる体を装うため、最初はスキップで移動し、途中からダッシュして、とりあえず隣町経由で山に逃げる。夜になって、どっちがどこかもわからなくなって、木のそばでじっとしていると人の足音がしたのでもうだめか、という気になった。草の間からがさがさっと顔を出してきたのは老人で、私を見ると無言で手招きをした。ついて行くと廃寺があって、コミューンのようなものが出来ていた。自分は髪の毛を剃って、そこで暮らすことになる。
寝る直前に「生き残り入門」という文字を見た影響。