私「世の中の事が自分の思うようにばかりならない以上、そこに自分以外の意志が働いているという事実を認めなくてはなるまい」 「認めている」 私「そうしてその意志は君のよりも遥に偉大じゃないか」 「偉大かも知れない、僕が負けるんだから。けれども大概は僕のよりも不善で不美で不真だ。僕は彼らに負かされる訳がないのに負かされる。だから腹が立つのだ」 私「それは御互に弱い人間同志の競合を云うんだろう。僕のはそうじゃない、もっと大きなものを指すのだ」 「そんな瞹眛なものがどこにある」 私「なければ君を救う事ができないだけの話だ」 「じゃしばらくあると仮定して……」
好きなやりとりのことを語る