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好きなやりとりのことを語る

「なぜ? 何もそう悲観する必要はないじゃないか、大にやるさ。僕もやる気だ、いっしょにやろう。大に西洋料理でも食って――そらビステキが来た。これでおしまいだよ。君ビステキの生焼は消化がいいって云うぜ。こいつはどうかな」と中野君は洋刀を揮って厚切りの一片を中央から切断した。 「なあるほど、赤い。赤いよ君、見たまえ。血が出るよ」  高柳君は何にも答えずにむしゃむしゃ赤いビステキを食い始めた。いくら赤くてもけっして消化がよさそうには思えなかった。