そう、わたしは生まれたくなかったのだ。誕生は拒絶だ。平和で快適な母胎にこれ以上あり続けることを拒絶して、外界へと飛び出していく。それは、自我の確立と発達の可能性を保証し、同時に母体を命の危機から救う。胎児の大いなる英知。
母はあの手この手でわたしを愛してきた。しかし、その愛を拒絶した。致し方なかった。自立もまた、誕生と同様の、拒絶だったから。
その愛を、いま、懐かしむ。そしてわたしもまた、拒絶によって母を愛してきた。しかし、愛のストロークを送るべき母がいない。愛された記憶は、永遠に消えない魂の刻印。それが、愛する対象を求める、その欲求を発動させる。そのため、子どもの存在を求める、あるいは、わたしを子どもに還りたがらせる。
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