あの人とわたし -02-
「わかってるさ、知りたくて来たんだよね?
で、知りたいことは何?」
——あの人はわたしのことを何でも知ってるみたいに言う。だった
ら、わざわざ確かめないで、話してくれたらいいのに。
「どうだろう?
もしも、きみが知りたくないことをわたしが話し始めたら、
きみはどうするだろうか? 耳を塞いでも聞こえてしまう……
それはきみも知っているね」
——あの人は、とても意地悪だ。
「ルールをつくったのはきみだよ。わたしじゃない」
——たしかに。
「じゃあ、きみが、尋ねて。知りたいことは何?」
——どんな質問にも答えるから、とあの人はわたしを勇気づける。
――創作のためのハコニワ――(テキストと画像・テキストのみの創作)のことを語る