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apoのことを語る

愛煙歌03

父もかつては愛煙家だったそうだ。わたしが卵にさえなる前、母と出会う前に
「富士」という銘柄を最後にやめた。
高い煙草だったんだぞ、と父は言う。わたしはその煙草は知らない。
なぜやめたのか、といえば長患いして結婚を諦めていた非モテ中年が
恩人の勧めに従って、結婚することを決意したから、だそうだ。
そのとき「結婚しないってのは、靴を履かずに道を歩くようなもんだ」と言われて。
もちろん、今と時代は違うから当てはまるとは思わない。

そして今、わたしは「峰」の次に吸うタバコが見つからない。

……だからね、まあ、そういうことですよ。