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apoのことを語る

愛煙歌02

30になったとき、峰にタバコを変えた。
もう十分に峰を吸うにふさわしい大人になったことを実感できたから。

それまではセブンスター。まあ、お察しの通り、ティーンエイジャーのときから。
あの、紙臭さは今も嫌いじゃない。峰が切れたときは吸ってる。
峰になる前には、右往左往もした。
まだ峰が似合う自信がなくて。あるいは自分の年齢を受け入れられなくて。

一時、シーリングスタンプ風のデザインが気に入って
ハイライト・マイルド(1988-2004)を吸ったけど好みじゃなかった。
両切りはキツイけどこれならば、とピース・ライトにしてみたこともある。
しかし意外にも、わたしは吸いつけるほどのマッチョではなかった。

まだ幼い。けれど「いずれ、峰にする」と決めてた。
なぜって、だってカッコイイじゃない、渋くてさ。
漢字一字。シルバーに黒の浮き出し(エンボス)。
「死ぬ死ぬ詐欺告知文」が入ったときはJT殺してやりたくなったわ。

そして、今も幼い。
でも、以前より、幼さを受け入れられてるような気がする。
同時に、いつでも大人でいることができるという気もする。
老いてもいい気がする、老いずに熟すこともない。
峰の紫煙によって、たしかにわたしの人生の一時期は醸された。そう思っている。