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平成生まれはこれ知らないよなのことを語る

プレノン・アッシュ
90年代前後にこぞって設立された独立系映画配給会社の一つ。まだ無名だった香港の新進気鋭監督ウォン・カーウァイを日本で一気にブレークさせた「恋する惑星」につづき「天使の涙」「欲望の翼」「ブエノスアイレス」が次々ヒット、快進撃を続けた。
同時期に設立された独立系の配給会社――たとえば「エルム街の悪夢」を当てて「髪結いの亭主」などパトリス・ルコント監督や「ハモン・ハモン」などマノウル・デ・オリベイラ監督作品を配給したアルシネテランとか、「マスク」で急成長し「セブン」を配給したギャガ・コミュニケーションズとか「月はどっちに出てる」を映画賞総なめにしたシネカノンとか――は、どんなにちっちゃな記事しか書いてないライターにも大手と違ってサービスがよかった。宣材いっぱいくれるし、試写室もきれいでスクリーン大きめで見やすかったし。

ところが、2000年に入ってコケはじめる。プレノン・アッシュは2011年に尖閣諸島をめぐる対中問題で、アルシネテランは韓国映画の配給で失敗、ギャガはハズレ映画を引きすぎて、シネカノンは映画ファンドと韓国でのシネコン投資の失敗で、破産、民事再生、他社に吸収合併されるなどされていく。どうしちゃったんだろってくらい。

よく考えてみれば、平成生まれはプレノン・アッシュどころか「恋する惑星」を知らないよな。
なんか時代を感じますね。映画の味のバラエティが格段に広がったは、まさにあの頃でした。