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カーネーションのことを語る

不倫疑惑のある夫が
「店の心配ばかりしてた」
「家族の写真を一番大事に持っていた」
というエピソードが、ありがちっちゃありがちだけど、人間の深みを感じさせる。
そうよねー。人間はいつだって良識的なわけじゃないし、倫理にのっとって動いているわけじゃない。

不倫疑惑のエピソードを伏線のように捕らえると、その回収に目をやってしまいがちなんだけど、個人的には、これは糸子の物語なんだから、糸子の中で決着が付くなら、それはそれでいいと思ってた。
「物語的に説明して回収する」エピソードを入れない、ということは、朝ドラのような物語を作ることにおいて、勇気のいることだと思うし。

第一、仮に今回みたいに糸子が決着をつけるようなエピソードがなかったとしても、人一人の人生には、本人自身も真相はわからないまま、もやっとしたまま終わる、何てことたくさんあるだろう。(そしてそれを本人の心の中でだけ決着つけるパターンも)

ここまで丁寧に作られた糸子の人物造詣を考えると、このエピソードを物語として成立させるために、白黒決着つける、なんてほうが不自然だと私は思ってた。

今後、偶然にも真相がわかる(不倫相手が尋ねてくるとか)ということはあるかもしれないけれど、この段階では、これがとっても自然。