「天国はまだ遠く」

・監督は「夜のピクニック」を撮った人。
私この監督、嫌いって訳じゃないんだけど好きとも言い切れないんだよなー。
夜のピクニックもこれも、淡々と生活系・ありきたりな会話で積み重ねられる生活劇、と言う感じで、そのスタイル自体は好きなんだけど、それがちょっと過剰な気がする。
スタイル徹底させた結果スタイルの主張が激し過ぎて、わかる人にはわかると前置きされて説教されてる気分になる。もう少し、巧さが欲しい。

・そしてその割に、付け足された登場人物の過去とか、台詞とかがありきたりなドラマチックさで、原作は、そういう設定がないからこそ面白いのに、何故……という気分に。

・ローサはかわいく、徳井義実のこういう役はあってると思う。
元々原作が好きなんだけど、このキャスティングなら観てみたいかな、と思ってたし。

徳井義実は台詞も演技もうまくはないけど、原作でも田村はひょうひょうとした青年で、だからそこに問題を感じない。
淡々系コントの間の積み重ねみたいなもので、台詞の押収におかし味もある。
徳井の演技がいいと言う話ではなくて、これは、彼にあってたと思う。

でも、無理矢理付けられた過去の設定によるシリアスな演技や声を荒げるところは、やっぱり下手で冷める。似合ってない。彼は役者じゃないし、その引き出しはないんだし。