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平清盛のことを語る

平清盛を演じるに当たって、松ケンは本当によく勉強しているようだった。
昨年末、来年の大河PRの為NHKのテレビに出演した松ケンは、とにかく清盛についてよく喋った。

役者は、その役に対して、色んなアプローチを試みるんだろうし、そのとらえ方はそれぞれだと思うけれど、私はこの、松ケンの、歴史上の人物を演じるに際して、とにかくきちんと勉強しよう、理解するために様々な方法を試そう、とするやり方に好感を持った。好感を持ったし、こうやって、いわゆる”若手”は成長していくんだな、と思った。

同時に、その時松ケンは、共演者(中井貴一)に対する信頼を語った。そして中井貴一もまた、自身が大河の主演を勤めた上で今ここにいる、と言う流れを語り、私はそれを聞きながら、成長したいという若手と、それを見つめる年長者がいるのだから、成長しないわけはない、と思った。

始まった当初、松ケンの清盛はとっても清盛だったけど、でも同時に、みんなから押されて前に出ているようなそんな感じだった。
前に出なくちゃ、と言う必死な雰囲気と、でも同時に、周囲を見渡して、え、俺が前に出るの?俺じゃ全然足りなくない?という感じと、それを踏まえた上で、前に出させられている、という感じに対する不満と。

松ケンの当初の演技ってそういう感じで、圧倒的に主役です!という感じはしなかったし、よちよちおたおた暴走する主役をみんなが支えてるような感じだった。

それが、まあ、半年でねえ。
今はとにかく大きくなって、エネルギッシュで、でーんと前に構えてる。相変わらず、みんな松ケンを支えてるんだけども、松ケンが大きくなったからなのか、みんな安心したからなのか、それが表立っては見えない。対等になって真剣勝負してる。

その半年間が、そのまま、清盛とだぶってねえ。
面白い。面白いねえ。

成長ってすごいねえ。いくつになってもすごいねえ。