先々週の「マツコ・有吉の怒り新党」の新・三大で「人間、戦争を残酷に描いた(アニメで!)」という切り口で富野由悠季の「ザンボット」が出ていた。
ピックアップした三つの場面は、確かに子供向けとして提供するには過酷なシーンばかりだったんだけども、みていたマツコが
「昔のこういうアニメって、深いし重いわよね。ガンダムとかより、全然」
言った時の、違和感。
いやいや。ガンダムって「戦争とは何ぞや」「人間とは?進化とは?強さとは?」ということをずっと描いてきているし、そういう意味ではガンボットと同じものが根底に流れていると思うのだけど。
そしてそれらが、シリーズが続いて行く事によって、制作者や時代が変わり、富野由悠喜も変わり、結果的に作品を通したコール&レスポンスが成立してる。
シリーズが続くってことは、人気が出た、メジャーになった、という事で、そりゃとっかかりは別の要因(キャラクター、モビルスーツデザインetc)が強かったかもしれないけど、周囲のガンオタを見る限り、「ガンダムで描きたかったもの」というのがザンボットのそれに比べて「軽い」と感じるような伝わり方は、していないです。
と、周囲にたくさんのガンオタがいただけ、の、実際シリーズは00しかちゃんと見ていない、「実はガンダムを知らない」私がいってみるテスト。
でも、裏を返せば、その程度にしか知らない私が、その事がわかる、っていうんだから、そのテーマ性においても、ガンダムはちゃんとアピールできてるって事よ。
(まあ、その理解が間違ってたら元も子もないわけなんだけど)
マツコは多分、ガンダムとかちゃんと見てなくて、だからこういう感想を持つのはそれはそれで仕方がないと思うんだけど、でも、知らないなら比べてあっちの方が軽い、ととれるような言い方することないのになあ。特にこんな、「重たいエピソード」だけをピックアップして語るような状況で、「比べて今のアニメは(非難)」と受け止められるような言い方をするのは、はっきりと、間違い。
同様に、こういう「昔のアニメ」をみて、昔アニメを真剣に見た世代が「昔のアニメの方が…」と語るのも間違ってるよ。
確かに今は「深夜アニメ枠」があるから、アニメが量産されてるし、量産されてればくだらないアニメもひどいアニメもサイテーなアニメも目につく程度に増えている、と思う。
でも、くだらないアニメもひどいアニメもサイテーなアニメも、昔だっていっぱいあったはずだからね。記憶に残ってなかったり、離れてしまって、忘れてるだけだからね。
今は今で、様々なテーマに向き合って真摯に作り続けている作り手というのはちゃんといるし、とりあえず声優は技術的に上手くなってるし*方法論から考えると、全体のレベルは底上げ&時間は短縮できているはずです。ううん。知らないけど絶対にそう。