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せきららこのことを語る

この間「我がいとしの90年代」みたいな小説を読んで、帯に並ぶ絶賛の言葉たちを読みながら、こんないろんな人が絶賛しているのだから、ガラリと最後反転するのかなあ、と期待していたのに、まったく反転せず、ただひたすら、小沢健二の名曲とあの頃の渋谷みたいな空気で、最後だけちょろっと「でも僕たち、過去には生きられないんだし」みたいな、え?いま?いまさら?みたいなの出てきて終わるっていう小説読んで、そういうのが、ツイッター発、みたいな感じが、ああ、時代は移ろうけれども「あの頃は良かった」人々はいつまでもいつまでも変わらないことよ、と思いました。いやあ、(あの頃の)小沢健二も浮かばれないと思う。だって、今、なう、素敵な曲出してんじゃん。文化に対して享受する準備ができた、くらいの段階でばーんと文化の波を浴びせられるのが青春時代なので、いつまでもそこを齧り続けていないで、それを咀嚼したうえで発表してほしいな、と思うのですよね。物語は。