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とと姉ちゃんのことを語る

言葉で「母親の力も大きい」と。

ずっと、君子はちゃんと母親だったし、そういう場面もたくさんあったし、「とと姉ちゃんでありたい」という長女を娘として見守ってる期間はずっとあったのに、視聴者の感想、なんか見ると、なんだか母親としてどうなの、みたいな言われ方をしてるの、ちょくちょく目にしててねえ。
彼女は、彼女のまま「母親」だっただけで、例えばのんきでお嬢さん育ちな所は、彼女の性分に過ぎないってだけだったんだけど。
で、そういう不完全さも含めて母親である事を描かれてるって誠実だし優しい描き方だなあ、って思ってた。

私は、とと姉ちゃんは、坂口安吾の堕落論や吉本ばななの「単純に、バカみたいに」などに通じる話なんだな、と思って見ている。
そこにあるものが、ただ、そこにある、というだけの話。人間は未熟だし、未完成だし、常に家庭にある、というような話。でも、それもひっくるめて、尊重して、受け入れて、トライ&エラーで人生を渡っていくことに肯定的な話(否定しようがない、というスタンスの話)。迷惑をかけることも寄り添うことも当たり前にあるし、尊重することにもされることにも許容することにもされることにも努力も立場もいらない、当たり前の権利として描かれているんだな、と思ってる。