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半分、青いのことを語る

今日の回、すごい…これまでも、何度もすごいと思ったし、エモい回もあったし、巧いとも思ったけれど、今日もまた、すごい…

登場人物が廉子さんのナレーションに、反応することはこれまでだってあったのだけど、今回のそれは、あちらとの境が曖昧になっている、感じがものすごく出ててエモい。
まるで、廉子さんとの再会が近く、それはそれで嬉しく思っているかのよう。先に逝った恋人が、最期に迎えに来る、といった演出は、もはや定石といっても良いものだと思うけれど、なんというか、一枚も二枚も上手…さじ加減が絶妙…。さすが北川悦吏子…恋愛ドラマの名手ってこういうことか、という感じ…

仙吉さんが座椅子に横たわるところで、ほんの少しだけカメラが揺れたと思うんだけど、ちょっとだけ、酔いそうなそれが仙吉さんの肉体の衰えであるかのよう。

戦争があって、ままならないこともたくさんあって、挫折もあった人生。
その人生を、先に逝く祖父が慈しみながら逝く。
孫が自分の味を超え、ひ孫の成長とそのセンスに驚き喜び、ほんのちょっと先の未来を楽しみにしながら。
人は90年かけたって大人になんかならないし思うほど成長もできないけれど
それでも、最後のその日まで喜びと驚きに満ち溢れ、前に進むことができる、ということだ。