円空・木喰展(松坂屋美術館)
初日、しかも開館わりと直後かつギャラリートーク前ということで熱い感じの入場者がたくさん。入場していきなり所狭しと並ぶ木喰作品に圧倒されます。そうと知って見るかぎり初木喰でしたが、かわいい…!木喰については、あるときを境に自称年齢が10歳進んでいてその前後のどっちが本当かわからないんだそうで、作品からもフリーダムな人となりがうかがわれました。
フリーダムといえば、お顔の造作など細かい部分がかなり失われてつるつるになっている一連の像の展示には、寺から子どもらが頻繁に持ち出して遊ぶ、裏側がくぼんでいて大きさもころあいなものにいたっては橇にする、などなかなかに手荒な目に遭ったとの説明書き。読んで吹き出してしまったのですが、お話を聞くと、そういうことを止め立てした大人に罰が当たったというエピソードが、木喰と円空の両方の仏像にはたくさんあるんだそうで、世の中には思いもよらないことがまだまだあるようです。
円空の作品はかなり大きいものもあり、ひとりでは抱えきれないサイズの重量感ある大黒像が、もともとうちの地元の寺にあったものだそうで、わがまちの株が自分内でちょっと上がりました。
どの作品も、300年、400年前のものなのに前衛的に感じるのは、これまでの私の美術体験が西洋芸術寄りすぎなのかもしれないですが、新鮮なのは間違いないでしょう。
面白かったですよ、お近くにお寄りの際はぜひ。
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