『パパは楽しい躁うつ病』北杜夫、斎藤由香、新潮文庫
躁病が4年に一度に、そしてうつ病期間のほうだけが残る、というのは
父がまさにそうだなあと思っていたら「72や90でも躁病が再発することがある」
とあって冷や汗。そして、「チョジュツギョウ」が嫌で由香さんが泣いたり、
躁病時の株の売買とか、自分の家と似たエピソードが多くて爆笑・苦笑。
うちは「コッカコウムイン」と言われて「大学の先生じゃなかったのか?」と疑問に思い、
躁状態のときにフランスに電話して(通常は国内っていうかとにかく電話自体がキライ)、
シャンベルタンを1ダース個人輸入して冬のボーナス1回が飛んだりした。
しかし、親子の生活が楽しげなだけに、文庫版に際して寄稿された「父との最後の散歩」での
医療過誤による北杜夫の死とその誤魔化しが悲しい。
リアルタイムでこの件は誌上で読んでいたけれど、やっぱり悲しいのだ。