/こんなアンパンマンは嫌だ

眉間に本日の餡の種類が表示されている。
（こし、粒、ずんだ、パンプキン、さくら、など）

ジャムおじさんにより、後頭部に、本日の出来の満足度を焼き印されている（百点満点）

しまった、ジャムおじさんだよ！

「愛と勇気だけが友だちさ」
と錦糸で刺繍された痛マントを押し入れに封印している。

都知事選に立候補したパンおじさんの応援演説に駆けずり回っている。

マントに
「さくらあん、はじめました」
と筆で大書してあった。

空腹を訴えると、
「では、介錯を、よろしくどうぞ」
と、ナイフを渡され、正座して背を向けられる。

新メニュー開発チーム試食され係を兼任している。

あまりの美味さに味が忘れられず、リピーターが続出している。

形といい味といい、その時々のバンおじさんの心の動きが手にとるように伝わってくる。

雨よけにビニールをかぶっていて、そのビニールが水蒸気でくもっている。

まず餡の種類を何にするか執拗に尋ねられる。

ごくまれに「当たり」と書かれ、電話番号を併記した紙が入っているが、
その詳細については一切答えてくれない。

賞味期限を微妙にすぎている