焦点をわざとずらしてぼんやりと世界を眺める。
ひとつひとつの境界線が滲んで水彩画になる。
そうしてたったひとつの色を探す。
みんなより少しだけ明るいブルーの
あなたの傘を。
/一枚絵本
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焦点をわざとずらしてぼんやりと世界を眺める。
ひとつひとつの境界線が滲んで水彩画になる。
そうしてたったひとつの色を探す。
みんなより少しだけ明るいブルーの
あなたの傘を。
摺りガラスの向こうのきみをトレースしようと、
原っぱのような紙くずに埋もれてしまった。
背中の曲線を描く数式はどこに落ちているのか。

夏が来た、知らせをだれが届けたのか。
君が居た、ベッドをだれが揺らしたのか。
同じ夜にくるまっていつまでも歌を歌っていたかった。
