The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring, Insider's Guide
冒頭にピーター・ジャクソンと原作との出会いがどんなだったかが書かれてて、そこが象徴的ですごくよかった。
旅のおともに本は必須、旅はどこからでも、いつからでも始まる。
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『四人の申し分なき重罪人』G・K・チェスタトン(著) 西崎憲(訳) 国書刊行会
意外なことに推理小説であると同時にりっぱなロマンス小説集だった。まさかチェスタトンでロマンス小説になるとは思ってなかったんで、ちょっとびっくり。
ブラウン親父と同じ、無邪気さゆえにシンプルなままネガポジ反転させる瞬間、が読んでてなんとも快感でした。
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DEATH IN THE CLOUDS by Agatha Christie
手に取ったペーパーバックの表紙がネタバレしすぎてるんで、犯人はもうほんとに最初の方でわかってしまったのだった。このシリーズの装丁好きなんだが、今回はやりすぎ(^^;) それでも楽しみましたが。
以前、「ポワロが新しい趣味(仲人)を開拓する話」って、どれかの感想に書いたけど、いやいやいや、彼は昔っからそうだったっけか、と苦笑してしまった。クリスティはロマンスに過ぎるとこあるよな(苦笑)
あと、「女は愛するよりも愛される方が幸せである」「男は愛されるよりも幸せにできる方が幸せである」ってメッセージが強い。このへんがクリスティの強みで弱みだろうなあ。
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『女の一生』モーパッサン(著) 永田千奈(訳) 光文社古典新訳文庫
訳題の解説だけは、最初に読んでおけばよかったと思った。映画のタイトルに時々使われる『生きる』とか、あるいは訳者が挙げている『(ある)いのち』だとわたしの読み方が変わっていたかも知れない。
わたしには、主人公ジャンヌよりも、リゾン叔母の生き方、一生の方が気になった。また、後半のジャンヌのようすのリアルさは、読んでいてつらかった。
本当に死んでしまうまで、命が尽きてしまうまで、何が起こるのかは誰にもわからない。夭逝したモーパッサンにも、この物語の後がどうなるのかはわからなかったんではないか、40代後半以降の人生を、想像できなかったんではないか、そんな気がした。
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『薄気味わるい話(バベルの図書館13)』 L・ブロワ(著) 田辺保(訳) 国書刊行会
すべて現実にあったできごとを素材としてかかれたもの、とのことであり、すべての短編に献呈がつけられている。
これらの作品が週一回でも、新聞のかたすみに掲載されているとしたら、その新聞をやめられなくなる人はいるだろう。
ブロワなら、「今」をどう書いたろう、そう思わされる作品集。
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『お菓子と麦酒』サマセット・モーム(著) 厨川圭子(訳) 角川文庫
同郷で少年時代からつきあいのあった作家の伝記への協力を依頼された語り手(やはり作家)が、現在と過去を行きつ戻りつしながら、今は亡き老作家とその最初の妻との鮮やかな思い出と秘密を、そっと読者にだけ打ち明ける、そういう物語。
過去の鮮やかさと現在の嘘くささ、最初の妻と次の妻との対比(再婚した妻はまるで『春にして君を離れ』のヒロインのようだ)、作家の作家としての業や生き方、などが、ユーモラスに語りおろされてる。
わたしとしては、竹宮惠子でマンガでも読んでみたい。ウィリーやロウジー、ドリッフィールドのような人物やこの物語自体の雰囲気は、彼女の得意とするものの一つだろう。ところどころコマ割りまで見えるくらいに感じた。
とてもおもしろかった。買いたい本。
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DESTINATION UNKNOWN by AGATHA CHRISTIE
スパイ小説なのだけど、最終章の直前の段落に思わず「新井素子の『くますけといっしょに』か、とつぶやいてしまった。
でもこれがクリスティーなんだよねえ。
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『夢の丘』アーサー・マッケン(著) 平井呈一(訳) 創元推理文庫
田舎の少々はっきりものをいう牧師の息子として生まれ、孤独もあって幻視者としての素質を育て、文学に身を投じた青年の心理小説。
気づくと彼の幻視に取り込まれ、現実と幻の境のない世界を、手を引かれ見せつけられる、その恐ろしさ。まして文学を志す者には恐怖そのものではないかと想像する。
最後が、途中でわかった。それまでも、追体験させられた。
「読んだら狂気に陥る本」の一つに入れていいと思う。
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『あの薔薇を見てよ ボウエン・ミステリー短編集』エリザベス・ボウエン(著) 太田良子(訳) ミネルヴァ書房
おそらく、著者の書く「少女」は、あまりにも「少女」なので、好き嫌いがまっぷたつに分かれるだろう。わたしは苦手。
しかし「少女そのもの」を中心に据えたものではない作品は、絶品と感じるものが多かった。
他の作品を読み続けたいかと問われると、とても迷うかも。わたしにとって、波の大きな作品集。
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THE SHPHERD by FREDERICK FORSYTH
クリスマス・イブにあるパイロットに起きた奇跡を書いた短編で、筋はすぐにわかってしまうのだけど、読み終わった時、ほっとさせられた。
イラストが全体の半分以上かと思うのだけど、それがほとんど夜空と飛行機。カラーで見たくなるイラストばかりだった。
フォーサイスってこういう話を書く人なのか。
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『モーム短篇選(上)』行方昭夫(訳)岩波文庫
これ舞台で見たいなーと思うものがいくつかあった。解説や略年表から見ると、かなり戯曲も書いてるとのことでやはり、と。
モームが書いた頃のイギリス人のイギリス女性に対する一般的な見方というのが自分でつかめてないかもなーとも感じた。かなりの女性嫌いを感じたのだけど、イギリスの小説にはけっこうあるからなあ。
お話自体は「見たい」ものが多かったです。
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THE MURDER AT THE VICARAGE by Agatha Christie
なんとかかんとか読了。今まで読んだミス・マープルものでは一番読みにくかった。
もっぺんA MURDER IS ANNOUNCEDがちょっと読みたくなった。特に最初の方。
しかし田舎はいずこも同じ、住みにくい場所よのう。
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『神を見た犬』ブッツァーティ(著) 関口英子(訳) 光文社古典新訳文庫
以前NHKでやってた星新一の番組がちらと頭に浮かんだ。
星新一よりももう少しナマの世界に近い、でもなんとなく、一つ二つ、星新一に訳させてたらどんなふうに文章を作るか見てみたい、そういう感じ。
著者の画集も、見てみたい。
好きな話が多かった。人間くさい神様や、人間くさい人間や。
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『文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁』 東雅夫(編) ちくま文庫
なんとか読了。本と出会うタイミングがよくなかった。そのうちリベンジいたしまする。
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うわータイトル間違えた、『青い犬の目』です、すみませんすみません。
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『青い目の犬』 ガルシア=マルケス(著) 井上義一(訳) 福武書店
短編集なんだけど、前の物語に出てくる小さなモチーフを、別の形で引き継いで次の短編が出てくる、という感じで、大きな円を描く螺旋階段をぐるぐると回りながら、時々螺旋の内側をのぞいてるような気分になった。
夢で見るような光景。
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AFTER THE FUNERAL by Agatha Christie
悲しい話だったなあ……途中で犯人わかったんだけど、それでもなお、こっちじゃなくあっちが犯人ならいいのに、と思わざるをえなかった。
必要なものとかほしいものとかその価値とか、そういうのって人それぞれなんよねー。
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『時代がつくる「狂気」 精神医療と社会』 芹沢一也(編著) 朝日新聞社
このあいだ読んだ『精神病院の起源』に関連して、数年前に読んだ本の再読。前回よりもはるかにわかりやすくなっていた。
「異常」は誰が決めるのか、治療はなんのために必要か、治るとはどういうことか、等を、複数の学者がそれぞれの専門から、歴史をおいつつ論じているもの。
孤立して起きる現象なんて存在しない、とはっきり教えてくれる本。
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『鬼平犯科帳(一)』池波正太郎
一、二日前に読み終わった『精神病院の起源』に、長谷川平蔵と人足寄場のことがちょろっと載っていて「まさかの鬼平登場」とウケていたら、本書の最後の話で、人足寄場ができるに至った経緯が詳しく書かれていた。
なんたるシンクロ(笑)
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『精神病院の起源』 小俣和一郎(著) 太田出版
明治維新によって近代西欧精神医学にとって変わられるまでの、日本における精神病院的施設史。
かなりおもしろかった。江戸時代にはもうかなりのケース観察が見られ、対応が考えられている。明治維新でまっさらになってしまったのがよかったのかどうか(そのあとドイツ医学採用してナチス時代の欠落・空白の影響かなり受けてるしね)。
かなり幅広い視野で書かれているので、いろいろ精神病院史以外の点でも興味深かった。
『累犯障害者』等とも関連して読める、ほんとにおもしろくかつ読みやすい本。
/本