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Tips:書きやすい書き方が、読みやすい文章になるというものではない。時には読む側の目になって自分の書き物を見直してみよう。
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THE MURDER AT THE VICARAGE by Agatha Christie
なんとかかんとか読了。今まで読んだミス・マープルものでは一番読みにくかった。
もっぺんA MURDER IS ANNOUNCEDがちょっと読みたくなった。特に最初の方。
しかし田舎はいずこも同じ、住みにくい場所よのう。

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『神を見た犬』ブッツァーティ(著) 関口英子(訳) 光文社古典新訳文庫
以前NHKでやってた星新一の番組がちらと頭に浮かんだ。
星新一よりももう少しナマの世界に近い、でもなんとなく、一つ二つ、星新一に訳させてたらどんなふうに文章を作るか見てみたい、そういう感じ。
著者の画集も、見てみたい。
好きな話が多かった。人間くさい神様や、人間くさい人間や。

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『文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁』 東雅夫(編) ちくま文庫
なんとか読了。本と出会うタイミングがよくなかった。そのうちリベンジいたしまする。

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うわータイトル間違えた、『青い犬の目』です、すみませんすみません。

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『青い目の犬』 ガルシア=マルケス(著) 井上義一(訳) 福武書店
短編集なんだけど、前の物語に出てくる小さなモチーフを、別の形で引き継いで次の短編が出てくる、という感じで、大きな円を描く螺旋階段をぐるぐると回りながら、時々螺旋の内側をのぞいてるような気分になった。
夢で見るような光景。

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AFTER THE FUNERAL by Agatha Christie
悲しい話だったなあ……途中で犯人わかったんだけど、それでもなお、こっちじゃなくあっちが犯人ならいいのに、と思わざるをえなかった。
必要なものとかほしいものとかその価値とか、そういうのって人それぞれなんよねー。

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『時代がつくる「狂気」 精神医療と社会』 芹沢一也(編著) 朝日新聞社
このあいだ読んだ『精神病院の起源』に関連して、数年前に読んだ本の再読。前回よりもはるかにわかりやすくなっていた。
「異常」は誰が決めるのか、治療はなんのために必要か、治るとはどういうことか、等を、複数の学者がそれぞれの専門から、歴史をおいつつ論じているもの。
孤立して起きる現象なんて存在しない、とはっきり教えてくれる本。

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『鬼平犯科帳(一)』池波正太郎
一、二日前に読み終わった『精神病院の起源』に、長谷川平蔵と人足寄場のことがちょろっと載っていて「まさかの鬼平登場」とウケていたら、本書の最後の話で、人足寄場ができるに至った経緯が詳しく書かれていた。
なんたるシンクロ(笑)

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『精神病院の起源』 小俣和一郎(著) 太田出版
明治維新によって近代西欧精神医学にとって変わられるまでの、日本における精神病院的施設史。
かなりおもしろかった。江戸時代にはもうかなりのケース観察が見られ、対応が考えられている。明治維新でまっさらになってしまったのがよかったのかどうか(そのあとドイツ医学採用してナチス時代の欠落・空白の影響かなり受けてるしね)。
かなり幅広い視野で書かれているので、いろいろ精神病院史以外の点でも興味深かった。
『累犯障害者』等とも関連して読める、ほんとにおもしろくかつ読みやすい本。

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THE MYSTERY OF THE BLUE TRAIN by Agatha Christie
セント・メアリー・ミードから始まるポワロもの。すごく若いミス・マープルと引退したポワロが共演しているような物語だった。
ラストのレノックスとの会話がいい。昔、ジーアとも、こんな会話をしたのかもしれない。

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『愛その他の悪霊について』 G・ガルシア=マルケス(著) 旦敬介(訳) 新潮社
この本も世が世なら、禁書の棚に封じ込められてしまうのだろう。
愛は人を救わない。正確には、愛「だけ」では救われることも救うこともできない。
無垢なる知識人は、自分の根底を揺り動かすものに出会ったとき、相手に名づける。「悪霊」あるいは「奇跡」と。それ(その判断の基礎)があなたの中にある、あったものだとはけして気づかない。気づきたくもない。
無垢であり続けようとすること・させることは、他人に泥を塗ることだ。
愛することを悪霊のしわざにするか否かは、他人ではなく自分にかかっている。

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POIROT'S EARLY CASES
テレビシリーズで見た覚えのあるものがほとんどだったので、相違点など確認しつつ、案外早く読み終えた。
Wasps Nestとかかっこよくて痺れる。
ポワロやミス・マープルの正義は「たとえ同情すべき点はあっても冤罪は出さない、許さない」なんだと思う。つかまるのが真犯人でないかぎり、誰も救われない。加害者も被害者もその周辺の人々も。そういうところに惹かれる。

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『七十五羽の烏』 都筑道夫(著) 光文社文庫
超久しぶりの都筑道夫。ものぐさ探偵コンビ。物部氏だけでなく片岡氏もけっこうものぐさと思うよ。だってこの提案は(笑)
あーまた『退職刑事』シリーズ読みたくなった。

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『差別と日本人』 野中広務・辛淑玉(著) 角川書店
まーいろんなノイズがあるかもだけど、とりあえず一度は目を通す価値あり。
野中氏は、もしフィンケルシュタインが政治家になったら、みたいな感じだ。
あと、辛氏にはぜひ、本書内に出てきた石原差別言動集をなんらかの形で出版していただきたい(おまけで麻生のも)。

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『地下室の手記』ドストエフスキー(著) 江川卓(訳) 新潮文庫
なんでだろう、後半に入ってから、『ライ麦畑でつかまえて』を思い出したのだった。わたしには、同じような人間に見えたのかもしれない、彼と。

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『精神医学とナチズム 裁かれるユング、ハイデガー』 小俣和一郎 講談社現代親書
抜けてた部分を補足してくれる内容。
『ナチスドイツと障害者「安楽死」計画』は、障害者(著者自身が障害者)から見た歴史だったが、こちらは精神科医が著者。ナチズム期のユダヤ人分析医大量追放により、ドイツ精神医学は治療という観点が一時的とはいえ失われた。日本精神医学がドイツ精神医学に大きく影響され続けてきたことを考えるとため息。
同著者の『ナチスもう一つの大罪 「安楽死」とドイツ精神医学』も近々読みたい(なんか同居人がすでに読んでそうな気もする)。

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SWALLOWS AND AMAZONS by ARTHUR RANSOME
英米児童文学の定番みたいなもので「心の積ん読」になってる本はなるたけ原書チャレンジ(んなことしてるからよけい積ん読になってる)、の一冊。
ナルニアをもっともっと現実よりの冒険にふったような感じ。
こんな夏休み、一回でも経験できたら一生の幸せ。こどもの時に読んだらそれこそ夢中になったろうと思う。大人になってから読むと、(彼ら呼ぶところの)native視線がどうしても混ざってきてしまう(彼らとわくわくする一方で、彼らを大人として心配してしまう)のでもったいないくらい。どうしたらCaptain Flintのようであれるのか。最後の方は読んでて「あーもう終わっちゃうのかー……」って気分になった。
男子女子それぞれみんな区別なくただの船乗りとして行動・活躍してて、こういうのにありがちなお姫様役の子とかも出てこなくってその意味でも気分爽快。

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『容疑者Xの献身』 東野圭吾(著) 文藝春秋
映画がラストの石神の回想に集約される内容になっているだけに、原作にはもやもやする部分が。確かに、冷酷なのだけれど。
連載中のタイトル『容疑者X』をこのタイトルに変えたことには、大きな意味があるような気がする。
自分が映画で感じたこと、読みが違ってない、とは思いたいのだけど。

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『オルガニスト』 山之口洋 新潮文庫
音楽にまつわる青春記ミステリーふう、と思って読んでたら、最後、怖ろしいことに……! 冒頭をちょっとだけ読んでからなにげなく解説をぱらぱらめくった時に、「なんで解説、瀬名秀明?」と思ったんだが、読み終わったら納得した。
憑かれた人は歯止めを失うと、壊れてしまう。壊れてる自覚もなく。
憑かれた人の物語。憑かれたかった人の物語。
 
さて、何を考えてあの人は、この本をわざわざ目の前で買い求めてまでわたしにくれたのだろう。

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『箱船の航海日誌』 ウォーカー(著) 安達まみ(訳) 光文社古典新訳文庫
イギリスではロングセラーの児童書だそうで、この本もかわいらしいイラストがふんだん。
擬人化された動物たちもノアの家族も皆それぞれが同等にある、平和でのんきなノアの箱船の中で、何が起きていたのか・起こったのか、どうしてその生活が失われたかを、ユーモラスだけど妙にリアルにとらまえた話。“スカブ”にゴクリをほうふつとさせられた。
この著者、本来は性科学を専門とする医者で、一般向けの性科学解説書を多数出版、後年はグルジエフに傾倒、児童書はこれ一冊だそうである。そういった変わった著者の経歴を元にこの本をどう読み込むか、というのを見せてくれた解説もとてもおもしろかった。ここがあるから文庫なのだね。