- ---『夢のように、おりてくるもの』 第三部「夢の花綵(はなづな)」夢うつつ夢うつつ 8-----
そのころの上得意はある組の役職もついた構成員だった。年齢は一回り上、顔に奇妙な痣のある大男で自身を不細工だとよく嘲った。俺はそう思わなかった。いや、そういうことを気にしないのだと教えられた。
男が俺の前に専属にしていたのは卒寿を迎えようとする古老だった。さすがに最近は年に一遍もないくらいでだいぶ間が開いた、よろしく頼むと頭を下げられた。
ともかく依頼が変わっていた。何世紀のなんという夢使いがこういう伎を残していてそれを真似ても…[全文を見る]