「『どっこい生きてる』って感じなんだろうな…」
腫瘍マーカーの数値が倍以上になっていたが、よろよろしつつも自力で歩いて受け答えしていたので医師はうれしそうに驚いていた。今度のお医者さんは信頼できる。
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「『どっこい生きてる』って感じなんだろうな…」
腫瘍マーカーの数値が倍以上になっていたが、よろよろしつつも自力で歩いて受け答えしていたので医師はうれしそうに驚いていた。今度のお医者さんは信頼できる。
夫「ああーーーっ金沢戦の前夜祭、すっかり忘れてた!」
台風にそなえて午前中に買い物に行ったから、調子狂っちゃったかな?
晩ごはんは、夫の作り置き(各種炊き合わせ)、サワラの西京焼き、マッシュルームのバター焼きサラダ、ピリ辛春雨でした(^-^)
要介護3に認定された。
それはフランス貴族ではなくローマの貴族では……。
へとへとになって帰ってきた。そのときちょうど、テレビでヒトとワニとヘビの三つ巴をやっていて、私はそれをわりかし真剣に見ていました。そしたら彼、
「あれ、またこういうの見てるの?」
ってピュアな瞳で聞いてくるんですよ。
どういう意味の質問だろうか。
「あれ、またこういうの、テレビでやってるの?」だったら「そうね、夏休みだからね」とかなんとか返事するんですけど、「またこういうの、見てるの?」だと「『また』つうか、一年中、一生、見るわけですけど……」とか、そういう返答になってしまうわけですね。何を尋ねられてるのかいまひとつわからんのです。
(アナコンダに攻撃される風ぬるり鳥)
業者にうちの駐車スペースの工事をしてもらっています。
妻「工事の人が暑そうだったからローソンで『ガリガリさん』とコーヒーを買ってきて渡してあげたよ(・ω・) 」
超「とても気がきくね!(゚∀゚) 」
胃を洗浄しながら溜まったものを少しずつ掘り進む感覚で「採掘」と呼んで前向きに吐いている。
上手く吐けると胃が軽くなり、眠っている間に突然吐くことも減り、横になって眠れるし、長時間の外出も可能になる。
仮装通貨のマイニングから閉塞した胃のマイニングへシフトした夏。
望みのタイミングで吐くには水分をいつどのくらい補給すればいいか計算し、ゲロを操るようになった。
予測吐き時間から逆算して吐く前提で食べたいものを一口二口噛むことも。
美食を楽しんでは吐いたというフランス貴族のようである。
妻の介助なしで温泉。
露天風呂や水風呂をゆっくり楽しんで英気を養う。
二週間毎朝通院して抗生物質の点滴を打つミッションをコンプリートした。
毎朝陽を浴びてビタミンDを作り、高濃度栄養点滴を入れた3キロ強のカートを持って往復100段の階段を上り下りするのは退院後のいいリハビリになった。
何をするにも車椅子移動で、立ち上がるだけでヨタヨタしていたあの日から見違えるようにたくましくなった。
ジャングルをさすらう日本兵のような身体だけれど、自分で出来ることをだいじに選んで暮らしている。
家族風呂を奮発して1ヶ月ぶりに温泉へ。
点滴を止め、注入口にロック液を注射して防水シートを張り、無事入湯。
ゆったりしたし、温まったし、可能性がまた広がった。
5ヶ月ぶりに床屋へいく。
脱毛する抗がん剤を止めてから初床屋、そして退院後初の一人お出かけ。
吐くだけ吐いておよそ5ヶ月ぶりに身体を横たえて眠れた。
座って寝ないと吐いてしまうからとずっと身体を起こしていたのだった。
目指せゲロマスター。
「吐かずにすむようにするには」から
「いかに楽に吐くか」へシフト。
吐かないことを目標にしていたときは吐くことは敗北であり挫折であり失敗だったが
楽に吐くことを目標にしてからは吐くことは挑戦であり実験であり成果になった。
先月末から吐かないようにと水も飲まずにいたけれど
水を飲むと吐きやすいからと水を飲み始めた。
いい感じ。
緩和ケア病院と呼ばれる要するにホスピスで
がん商売最前線感のあるやり手営業マン風おばちゃんに
「リットルじゃありません、ミリリットルです」と指摘する。
「ええ、腹水を抜いたんですよね?」
「はい、3L」
「大丈夫ですよ」
強固な笑顔でほほ笑むおばちゃんのメモには「腹水3000ℓ抜く」と書いてあった。
ダムかよ。
役所から介護認定をする方が来られた。
「入院中に介護認定をしてもらった方がいい」
と病院で言われたが、退院を強く推したので退院後になった。
入院中は寄ると触ると車椅子移動で、ベッドの足下には尿瓶があり、着替えはナースコールが必要だった。
入浴は週に一、二度、浴室が空いていて体調のいいときだけ。
あとは濡れタオルで拭いてもらう。
夜は眠れず、することもなく、妻の面会を待つことだけが楽しみという日々だった。
自宅では自分で歩いてトイレを使い、着替えて入浴し、階段を昇り降りしている。
洗濯機を回したり、洗濯物を畳んだりもできる。短い距離な…[全文を見る]
点滴の管を外さないで脱ぎ着できるよう妻がTシャツを次々に改造している。
「ボタンホールが等間隔につけられない。
お洒落さんだったら自尊心が傷つくような仕上がりになっちゃう。
着てて気にならない?」
「そんなことない!これこそ本当のお洒落よ。
もちおは妻の愛をまとっとうんやもん」
ダンッ!
今帰ってきた。そして言うことには、
「今日ね、お昼食欲がなかったんで、コンビニでお豆腐買ったんですよ……そしたら『豆腐につけよ』って塩がついていてね、それが呉市の塩だったの。だから呉市出身の人に『ほら、呉市ですよー』って見せたの……」
ということで、どこがどうとは言えないのですが、暑さですっかり弱っている人の様子を呈しています。
席を外して
「ミキプルーン」「三基商事」
で検索すると
「副業 マルチ」
と出てきてげんなり。
帰り際玄関先で
「お金に困ったら、気軽に相談してください」
と小声でいわれ
「太い親がおりますので、大丈夫です」
と生まれて初めて社長令嬢スマイルで返した。
微妙な顔で帰っていった来客はかつての父の部下である。