「ソン・ランの響き」@新宿K's cinema
・BLとかゲイとか思って見るとある意味拍子抜けしそうな、淡いゆらめきを掬い上げたボーイ・ミーツ・ボーイ映画。この'淡白さ'、俺はかなり好みです。
・エキゾチシズムとノスタルジーをどちらも刺激する色使いと光の使い方が美しい。主役二人も(俺の好みど真ん中ではないものの)イケメンだしね。
・セリフの少なさも良い。特にユン兄貴役のヒト、役者経験さほどないらしいってマジですか。
おまけ:K's cinema 、すごくキレイな箱だったけど客はやっぱりとても少なかった。ここでのこの映画の上映は明日までだけど、一週空けて月末からは渋谷で見られるらしい。変な吸血鬼映画見るよりは多分段違いで良い映画だから関心あったら見ればいいよ。
金曜日ですが「天から落ちてきた男」
・事実は小説より、を地でいく感じのドキュメンタリー。いやほんとこんな話そりゃ「映画化決定」だわなと。"お話"としてビシッと成立してんですよ、実話なのに。マジックリアリズム?の香りすらするし。
・つか「エモい」とはこういう時に使う言葉なのではないかと思った。翻って、「多喜二を政治的に利用するな」とかなっちゃう本邦……とも思ったけど。
・年寄りなもんでStingの「They Dance Alone」を思い出さずにいられんかった。あれはチリの話だけど、中南米の歴史、もっと知ってたら更に面白かったかも。
・映画終了後、監督のトークがあったんだけど、これまた熱さ、エモさを感じるものでした。語気が強いとかじゃないんだけどね。
一昨日ですが、
「ボヘミアン・ラプソディ」@舞浜シネマイクスピアリ
・「話、すげえ盛ってね?てか時間軸かなり弄ってね?」とはちょっとだけ思ったけど、楽しい映画でした。
・これから見る人(特に、クイーンの曲知ってる人)にはできれば「応援(絶叫)上映」で見ることを強力にお勧めする。エーーーオ!とかドンドンパン!とかやりたいのをずっと我慢してたよ、俺。
・ラミ・マレックの熱演は評価せざるを得ないけど、「あれ?このブライアンだけ本人?」とか思うことしばしば。似すぎだろ!
・このご時世に、「移民で非ヘテロセクシュアルの青年がロックスターになって世界中を魅了する」実話が映画化されて大ヒットしている、という事の意味を考えずにいられなかった俺でした……
「ゼロの未来」
(「未来世紀ブラジル」貸してくれた友人がこれも貸してくれたDVDにて)
・ゴテゴテとビザールな美術、ゲームやってるようにしか見えない仕事のモニター画面含めなかなか良い。
・主人公がモテてる理由がやっぱり良く分からない……。エロサイトのねーちゃんだけならまだしも、天才ハッカーくんにまでなつかれるとか、そこまでか?と。
・オチ、結局どういう事なん?(「ブラジル」みたく)妄想の中にサヨナラしちゃってるのかそうでないのか。オチ以外も、メタファめいたものがありすぎて反芻が追い付かない感じではある……
すげー今更ながら「未来世紀ブラジル」。
(「ブレラン好きならこの映画も見なきゃ嘘でしょ!」と、友人が貸してくれたDVDにて。)
・"過剰"な映画だなあと思った。特に、近未来、というか「現実にはそうはならなかった近未来」、かつかなりビザールな美術。格好いい。
・強烈に皮肉なラストがこれまたいいなあ。デニーロの配管工が助けてくれるとこから先は……なんだよね?それより先も?
・ヒロインが主人公に靡いた理由だけは正直よく分からないけど、好きな感じの映画でした。友人に感謝。
『しあわせの隠れ場所』@実家、たぶんBS放映を録画したもの(字幕)
・実在&現役のNFL選手、マイケル・オアーの半生を映画化したもの、らしいんだけど、こんなお伽噺めいた話が実話とは、アメリカのクリスチャンの金持ちやっぱすげーな、と。
・なんか『チョコレート・ドーナツ』とちょっとカブる。アメリカの貧困層に産まれた子供の話、というあたり。でもハッピーエンドだし、コメディ風味もあるので後味は悪くないよ。
・セレブな肝っ玉母さんを演じてるサンドラ・ブロックの存在感がすごい、んだけど、マイケル役の俳優さんの表情での演技もいいです。
「ブレードランナー 2049」@TOHOシネマズ新宿!
・前作が好きすぎて近作見るのが不安だったけど、すごく良かったです。画面がものすごく綺麗。あんまり長さも感じなかったなあ、俺は。
・別にこの作品にもこの世界にも(架空の世界にも)限ったことじゃない人類の酷さ惨さはともかく、レプリカントたちはそれぞれに健気で切なくてやっぱりほろりと来る。「ブラックアウト」のレンはこんな気分だったのかなあ。
・「K」の物語はこれでおしまい、なんだろうけど、続編の構想がありそうな感じがすげえする。もし実現したらたぶん見るだろうな。
おまけ:
・現在の日本に暮らしてて「文明の発展には使い捨ての労働力が~」とかって台詞聞かされるとにっがい笑いがこみあげるよね....
『裏切りのサーカス』@友だちん家のhulu
・アクションシーンとか派手なドンパチのほぼない激シブスパイ映画。極力台詞ではなく、画面で語らせてる感もこれまたシブくて格好いいです。
・が、そのせいもあってか、人間関係やら話の流れが多少分かりにくくなってる感は否めず。「二度三度の鑑賞に耐える映画」とも言えるかな。ワタシはあと二回くらい見たい気がする。
・ラストまで見てから、ジム・プリドーとビル少年のことを考えると妙に切ないというか、味わい深い。自分の持てるものを継承させたかったのか、それではいけないと思ったのか?
「AKIRA」@目黒シネマ
・いやこれはマジで大画面と大音量で見るべき!文句なくかっけぇ。再映されててほんとラッキー。フィルムの傷もこの作品が如何に愛されたかの証だと思えば超納得。
・原作と比べると大分話をはしょった(特に、"強いおばちゃん"成分を)感はあるものの、うまいこと纏めてあるので違和感はなし。つか、山形の扱いに至ってはちょっぴり良くなって……る?
・2020TOKYO、を予言してるだけでなく、今の現実といろいろ符号するところが散見される気がして、クリエイターの第六感にちょっと戦慄する感じもある。大友すげえ……
もう昨日ですが。
今更『マッド・マックス 怒りのデスロード』@新宿ピカデリー。三行+おまけ、で。
・こりゃ映画館の大画面&大音響で観るべき映画だわ。てか3D童貞捨てとくべきだったかも?2Dでもギリ見られただけ良かったけどさ。
・爆発とかV8とか殴りあいとか銀スプレーとか火吹きギタリストとか爆発とかにヒャッハー!する映画、として俺は楽しみました。結構スカっとした。あと、台詞の少なさも素晴らしい。
・しょっちゅうフラッシュバック(幻視幻聴?)起こしてる、ほんとに"MAD"なマックス、てのも面白かったけど、それよかニュークス、かなり可愛いよニュークス……
・おまけ:フェミニズムとかジェンダーの視点から見て云々、てのは個人的にはあんま(良くも悪くも)気にならない感じでしたが、あんな分かりやすいストーリーに、そういう多様な読みも可能にする厚みも持たせてあるってのはすげーかもなあ、とは思いました。
昨日ですが、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〈春の名作劇場〉で、
『ミスター・エンジェル』を見てきました。
・ガチムチ刺青髭アリ+股間には女性器、のポルノ男優バック・エンジェルの人生を捉えたドキュメンタリー。すごく見たかったのでそれが叶って嬉しかった。
・モロなセックスシーンはないですが、バックの全裸は無修正で何度か出てきます。そこにも意味がある映画なので映倫GJ!!
・でもそこより胸に残ったのは、彼と家族やパートナーとの歴史や関係を描いた部分だったり。"親父の涙"にはちょっとジワッと来たね。
昨日ですが、『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』@新宿武蔵野館
・チューリングの最期については多少知ってたので、後味悪くなるかと心配だったけど、青春映画っぽいラストシーンとかで、上手いこと和らげてはあった感
・紅一点のヒロイン、かなり共感できる。色気はないけど「女どもはなんでホモに甘いんだ?」とか思ってるノンケ男子は見たらいいかも、戦争映画だしね!
・カンバーバッチもナイトレイもよかったけど、チューリングを追い詰めてしまう刑事さんとかも脇ながらすごくよかった。
『カミングアウト』@渋谷ユーロスペース
・タイトル通りの内容を至極真面目に撮った映画。それだけに、良くも悪くも「学校の体育館で見る映画」っぽい感じは否めず。彫師のシーンと「TENGA沢山」シーンを除けばね!
・「カーチャンとの電話だと野郎口調」のあるある感(笑)。あとやっぱ、タイトル通りのことする場面ではこっちまでなんか緊張する。あと、決意の前後で主人公の服装がかなり変わってるよね。
・ラストシーンのアレはむしろ要らんかったんちゃうかなーと。なんかもっとさりげないエンドで良かったんじゃ……
『イヴ・サンローラン』@新宿シネマカリテ。
・繊細過ぎて色々大変な事になってる天才と、彼を公私ともに彼を支え続けた実務家、ってパターンはある意味王道だけど、この映画では実務家のピエールが凄く格好良く思えた。
・つか、そんな時代だったからとはいえ、こんな「セックス・ドラッグ・オートクチュール」な話に良くオーケー出したなYSL財団。流石フランスってとこ?
・俺がモードの世界にもっと関心があったなら更に楽しめたんだろうなーとは思った。人間ドラマとだけ見ててもなかなかだったけどね。
『悪童日記』@新宿シネマカリテ。
・「魔女」の体型以外は(笑)、基本かなり原作に忠実で良かったけど、個人的に印象深かった「隣家の娘」のエピソードが削られ気味だったのは残念。
・っていうか主演の双子見つけた時点で、「勝った!」って思ったんちゃいますか、監督。
・一般的なモラルは踏み越えてるけど、生きようとする人には二人して手を差し伸べてる双子たちは、血も涙もない怪物なんかじゃ全然ないと思うんだ。そこがちゃんと描けてて良かった。
(オマケ)・原作者のアゴタ・クリストフは、原作の三部作のうち『悪童~』と続編の『ふたりの証拠』は映画化したらいいんじゃないか?って言ってたとかなんとか。……期待しちゃうぞコラ(ハイクでも何度か書いてるけど、俺『ふたりの~』すげえ好きなので)。
昨日なんですが、
『ロッキー・ホラー・ショウ』@たまたま通りかかった新宿のとあるパブ
・上映イベントだったらしく、たまたま映画が始まるとこを通りかかってつい見てしまった。パフォーマンスっていうか、あのコスプレで画面に合わせて口パクやってる人らもちゃんと居てワンドリンク代のみ!ラッキー!
・ひたすら馬鹿馬鹿しい、だがそこがいい。ノンケな恋愛おちょくりすぎ、だがそこもいい!
・英語音声と英語字幕だったけど、一度日本語字幕の見てるせいか話がわかんなくなることはなかったよ。
『トム・アット・ザ・ファーム』@新宿シネマカリテ
・トムの自尊心とか自己愛の欠如が、フランシスみたいなロクでもないDQNにとっては付け入る隙になっちゃうのかなーと。
・カーチャンすげー怖ぇ。「タルトが冷めるわ」のとことか特に。あと、サラは無事逃げられたのかなあ……(gkbl
・陰鬱な上妙にリアリティある話なんだけど、トムもフランシスも(タイプの違う)イケメンなので、ある意味萌え目線でも見る事は可能なのかな?と思いました。俺個人は萌えられませんでしたが……
『アキラNo.2』@シネマート六本木、初回舞台挨拶つきで。
・10人いるはずの「ナンバーズ」残り6人は?ってのがどーしても気になった。
・Vシネノリっぽいのは否めないけど結構笑えたのでまぁヨシかと。小澤亮太の百面相と、五十嵐麻朝の長~い脚+ガリ専垂涎の裸と、チャンプ城戸の見事な筋肉も見られたしね(それでいいのか(いいんです!
・つかこういう話だから当然だろうけど、城戸さんがあまりに役とかけ離れた明るくおもろい兄ちゃんなのにはワラタwww@舞台挨拶
昨日(日付的には17日)に見た映画でごめんなさいですが。
『さまよう小指』@テアトル新宿
・主演が小澤亮太氏で、夕張ファンタ映画祭でグランプリ受賞、ってくらいしか知らず、タイトルからサスペンスっぽい内容を創造してら全然違ってて、ファンタジックでガーリーテイストなラブコメに、バイオレンスアクションと昭和の臭いを足して、思い切りチープにB級にした感じだった。でも、案外悪くなかったよ。
・一人二役で、脱いで女装して殺陣して、と大活躍なおざりょさんもさることながら、イカれた893役で出てるツダカン(津田寛治、衣装とメイクがなんかキヨシローっぽい気が…)が、これまたかなり俺得でした。
・かっ飛んだ話の割にはちょっと意外なくらい静かなラスト、好き。あの花火はあの二人への祝福の花火なんだと思うけど、子供が産まれたらヒロインはどんな母親になるんだろうね?
『チョコレートドーナツ』@新宿シネマカリテ。3行+おまけ1行になってますが。
・ゲイ(オネエ)や障害者の描かれ方に、ステロタイプじみたものを感じないでもない……けれど、しかし!ルディ姐さんは男前でかっけえし、マルコは「鉄コン」のシロみたいに憎めない……んだよなあやっぱ。
・冒頭、夜の街を一人さまようマルコの背中に涙腺が緩み、彼が劇中で泣くシーン(二度)には、不覚にもホロリと。
・ポールの手紙を受け取った人たちは、「自分はマルコに酷い事しちゃったな、あれは間違いだったな」って思ってくれたかな?彼らの側からの物語も見たい気がする。
・ちなみに、日本ではゲイやビアンのカップルだけじゃなく、ノンケなカップルでも籍が入ってないと養子を取るのは難しいので、この映画より遅れた状況なんだぜ、実は……