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「はてこは文才あるわよ、一度妹子に聞いて、読んだことがあるけど」

妹が母に教えたのははてこブログか仕事ブログかどっちか気になって、以来ブログの更新ができない。
いーもーとめーーーーー!!!

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こんな娘婿からも美人と認めざるをえないといわれている実母。

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嫁の帽子姿を見た義母。

「はてこさんが被ってもいいねえ、その帽子」
「はてこさんだからいいんだよ!俺が被ってるところ見てみろよ!」
「でも東京でいちばん売れとるんよ?」←帽子を店に卸している。
「え!そうなの」
「直射日光が当たらない、夏用の糸で通気性がいいし」
「どんな人が買うんですか」
「そりゃ髪の薄い人よ~」
「おい!」
「でも病院で売っとるのよりデザインはいいんよ?」
「比べるところが違うだろ」

たぶん今後も新作が送られてくると思う。

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これから入院中の義母を見舞いにいく。
「おかんに二人で帽子被ってるところ見せてやろう。現実を見て学んでもらわないといけない」
「意外にいけるじゃないって思われてまた送られてくるんじゃない?」

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編み物好きな義母がピチピチのニット帽を送ってきた。なにこれスイミングキャップですか、と思ったけどスイミングキャップ風にかぶると首回りが涼しいので家でかぶっている。

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息子が心配で心配で嫁に連絡し続けていたのに
「励みになりますから、部屋を片付けた画像を送ってください」
と伝えて以来、ぱったり音沙汰のない義母。

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息子が難しいガンにかかったことを知って苦しんでいる義母。

「心配で夜も眠れんのよ」
「そうですよね。でも日常生活をきちんと送るしかないんですよね。やることやって」
「そうよね」
「もちおさんも家事やればいいと思うんですよ。目の前のことに集中できて気も紛れるから」
「うん、私も一心不乱に編み物をしようんよ」
「お義母さんも家事やってくださいよ」
「ああ…はい」
「私たちが元気でいないとですよ。糖質制限して痩せてください」
「ああ…はい。何が送ろうか?何がいい?」
「部屋を片付けて片付いた部屋の画像を送ってくださいよ。もちおさんそれ見たら安心しますから」
「ああ…はい」

この期に及んでいつもと同じことをいう嫁。

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「娘が一生懸命話しかけているのに、知らん顔で返事をしないお母さんを街で見たの」
「あら」
「娘さん、車椅子でね、目も見えないみたいなの。お母さんに一生懸命話かけているのに、お母さん黙ってて」
「あらー」
「スマホを見て知らんぷりなのよ・・・すっごくかわいい女の子なの。一生懸命、何度も何度もお母さんに話しかけて」
「そうなんだ」
「もう見ていらなくなっちゃって・・・でも何もできないでしょう・・・家に帰って泣いてしまったわ・・・あの女の子・・・」

身も世もなく泣き崩れる母を見ながら、「およそのお嬢さんもいいですけど、ご自分の娘が届けてくれた手作りタッセルホルダーのお礼をひとこと伝えたり、ご自分の話ばかりなさらないで最近の様子をたずねたりしてはどうでしょう?」と思ってしまったのでございました。

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「ちょっとはてこ様子を見に来たの」
「あら、急ですね。ちょっと風邪ひいてるのでお構いできませんけど。ケホケホ。まあどうぞ上がって」

「ああでこうでね、それがこうでこうだったの」
「へえ、そうなんだ。ケホケホ」
「それでこうでああなってね、もうこんな具合だったのよ」
「へえ・・・ケホ!そうなんだ。・・・あー、フラフラする」
「だからこうでああで」
「ケホケホケホ」
「具合悪いの?」
「うん、風邪ひいてる」
「ママも最近すっごく具合が悪くてね、ああでこうでこうなのよ!」
「へえ。わたしはここのところずっと風邪が治らないんだよね」
「やだ、うつったらどうしよう」
「おい」
「えーだってー」

だってじゃねえ。

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「ああ、美味しかった。どうもありがとう。もっちゃん、いつも本当にありがとうございます。こんなにご馳走になって」
「今日ははてこが出すんだよ」
「それだってもっちゃんのおかげじゃない。もっちゃんが働いてくれるからでしょ?ねえ」
「あのね、そういうのよくないよ。はてこは自分のためにそのお金を使うことも出来たんだよ」
「…そうね。悪かったわ」

10年前だったら暴言の応酬による大喧嘩と何度目かの絶縁宣言に涙涙の日々を送ったと思う。
お互い変わって親子関係も変わった。感慨深かった。

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「おなかいっぱいになった?デザートはどう?」←予算を思いめぐらしながら
「いただこうかしら」
「でもここの杏仁豆腐、四角くて固いんだよね。わたしは柔らかい杏仁がすきだな。別の店で珈琲でも飲む?」
「こっちの特製杏仁豆腐なら柔らかいんじゃない?」
「あ、そう。じゃあそっちにしよう」

そっちは小鉢で560円だった。

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お誕生日なのでちょっといいお店で中華料理をご馳走してあげた。
「あとほかになに食べたい?スープは?」
「そうね。玉子スープが美味しいわね」
「…フカヒレ頼んだら?」←ちょっと思い切って言ってみた
「いいわね。ママこっちの蟹入りがすき」
「あ、そう。じゃあそっちにしよう」

そっちは一皿3600円だった。

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「こないだ英会話教室の帰りに図書館へいったらね、4歳くらいの女の子がニコニコしながらやってきて『おねえさん、ここにいたんだー』って言うの」
「へえ」
「まわりをみても私しかいないし、誰かと間違えたんだと思って『誰かと間違えてなぁい?』って聞いたんだけど、違う違うってニコニコしてるのよ」
「ふうん…それで?」
「そしたら若い女の人が来てね、その子のおかあさんだったの。それをみてやっと思い出したの。英会話教室にときどきおかあさんといっしょに参加してる子だったのよ」

お盆だからあっちから来た子に図書館で『おねえさん』って呼びかけられたっていう話かと思ったよ。

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LINEが来た。

「リトルチャロのDVをジュンク堂で見つけて購入してきたのですが
長い間、DVを使用していなかったので、操作方法を覚えていません。色々とやってみましたがスタートしません。
今度、会う時にリモコンを持参しますのでよろしくお願いします。」

DV をリモコン操作とか怖いし、リトルチャロのDV も怖い。

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カルチャーセンターで講座を開く仕事が決まったので、一番に報告した。

「まあそう、どこにあるの?」
「ここから地上に出ると、角に郵便局があるでしょ?その隣のビルの…」
「あー、わかった!あそこ本店は東京よね。東横線沿線」
「そう?別のところと勘違いしてない?」
「あ、あれは違ったかしら。仕事してたころはあの駅にね…」

母が心底わたしに関心がないことを再認識させられた。

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「眠れないから病院にいこうかと思ってるの」
「深夜にスマホ見るのやめなさい」

「ラジオ体操や太極拳を近所の公園でやっている人たちがいるの。参加したいけど、朝起きられないのよ」
「深夜にスマホ見るのやめなさい」

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臨時収入が入ったとのこと。

「もっちゃんがお休みなら明日食事にいきましょう」
「明日は仕事です。休みは日曜日だけです」
「では別の日にしましょう。休みはいつですか」

いま書いただろ。

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「あれ何かしら?どっかの宗教法人が勝手にやってるのね。ガイドさん、なにも言わないものね」。

成田山の慈母観音だった。

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戸外で弁当を食べていたら鳩が寄ってきた。

「あ・げ・ら・れ・ま・せ・ん!あげられないの!
ここがフランスだったら、捕まって食べられちゃうんだからね!」

童女のような真剣さで鳩に警告。

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「あ、藤田だ!」

同級生?