結婚しない男
人間四十にもなって独身でいると、世間での風当たりがやけに冷たい。しかも、なにか酷く都合が悪いことであるらしい。
とはいえ少なくとも彼本人は、なんの不満もない。料理掃除洗濯は同居の兄嫁が家族全員平等に面倒をみてくれている。また、その仕事場である工房は弟子と主が働きやすいようきちんと整理整頓できていて、金勘定にも不便はない。万事これでうまくいっているのだから、嫁を貰えと説得されるいわれはない。
しかしながら、そう考えているのはサンドロ・ボッティチェッリ本人だけであるようだ。縁談を持ってきたのは彼を特別に贔屓に…[全文を見る]
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